16歳女性車夫駆ける 人力車「えびす屋」で岩田さんデビュー

update 2025/7/27 07:45


 観光人力車「えびす屋」函館店(門馬幸介店長)で25日、市本通2の高校2年生、岩田優美さん(16)が同店初の女性車夫(しゃふ)としてデビューした。全国でも16歳女性の車夫は珍しく、岩田さんは「体力がついて、多くを学べる」と意欲的に客を案内している。

 身長157センチ、中学時代から陸上で活躍し、大会のさまざまな種目で1位を獲得している。脚力に自信があり、今後も陸上競技で飛躍を目指す中「トレーニングとして、走るアルバイトを探していた」と話す。浅草(東京)で人力車を見たことがあり、願った通りの仕事に向かう決意をした。道内で人力車のある街は小樽と函館のみで「函館が観光地で良かった」と笑顔。

 門馬店長によると、全国で人力車を営業する地域で女性の車夫は1割にも満たず、「16歳は最年少かもしれない」という。岩田さんについて「魅力的な個性や性格で、親子や修学旅行生を案内できると思った。雇うには不安はなかった」と話す。

 研修は1カ月間、観光ガイドや記念撮影方法、コミュニケーションの取り方を学んだ。「坂や建物の名前は知っていたが、街の歴史を深く学べた。以前は汗をかかなかったが今は汗が出て、暑さも大丈夫になり、体力もアップしている」と感じている。指導を受ける姿を見守る地域の人から「がんちゃん頑張れ」と声援を受けることもあり「地元の人気者になるのは車夫として重要なこと」と門馬店長。

 初仕事の日、自然な笑顔で家族連れらに利用を勧め、計2組を案内した。かじ棒を持って客席を地面と平行にするのは難しいが「研修で腕の筋力もつき、人力車の扱いに慣れてきた。体格が大きい人を乗せても、アドレナリンが出て大丈夫だった」と安堵(あんど)の様子。門馬店長は「体力アップはまだ必要だが、初日にしては十分な活躍」と太鼓判を押し、「車夫としていろんなことを学び、将来に生かしてほしい」と期待する。

 岩田さんは「同年代の人ができない経験をしている。函館の好きな景色を見ながら仕事ができるので楽しく、全力で頑張りたい」と目を輝かせる。(

提供 - 函館新聞社

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