函館悦山会と会主の基悦さん、「森光子奨励賞」受賞 民謡普及に尽力

update 2025/7/25 07:42


 2012年に92歳で亡くなった女優・森光子さんの遺志を継いで創設された「森光子の奨励賞」に、函館市の民謡団体「函館悦山会」と会主の小林基悦さん(87)=本名・悦子=が選ばれた。長年にわたり民謡教室を通じた人材の育成に加え、青少年への伝統芸能の普及に尽力したことが評価された。贈呈式は9月15日、函館市内で行う予定。

 同賞は15年、森光子芸能文化振興財団(東京)が創設。森さんのように一筋の道を追い求め、たゆまぬ努力を重ねてた個人や団体を表彰している。森さんの生誕100年にあたる20年からは、地方の伝統文化の継承に取り組む個人や団体にも対象を広げた。これまでに歌舞伎俳優の中村勘九郎さん・七之助さん兄弟、俳優の市村正親さん、元競泳選手の北島康介さんらが受賞している。

 函館悦山会は、基悦さんと夫で尺八奏者の故・悦山さん(本名・栄一、90歳)と1989年に設立。2000年にはNPO法人「青少年と伝統芸能を育てる会」を立ち上げ、チャリティーを兼ねた自主公演をこれまでに11回開催した。教室は函館のほか、後志管内倶知安町や札幌市などにも広がり、現在、道内外に約80人の門下生が在籍している。

 基悦さんは佐呂間町出身。73年に民謡・三味線を習い始め、78年の函館に転居後、民謡名人の佐々木基晴さんに師事した。83年には日本民謡協会全国大会で内閣総理大臣賞を受賞。2016年には同協会の民謡功労章も受章した。孫の中川麻衣さん(40)、古川亜美さん(36)の姉妹も内閣総理大臣賞を受賞している。

 基悦さんは「民謡を通じて人と人がつながり、皆さんの元気を願って活動を続けた。今回の受賞は支えてくれた多くの人のおかげ。これからも感謝、愛情、思いやりの心を大切に伝統を未来につなげていきたい」と語った。

提供 - 函館新聞社

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