函館の七夕文化を次世代に継承 五稜郭で実行委発足

update 2025/6/7 21:33


 子どもたちが街をめぐる「ローソクもらい」で知られる函館の七夕祭りを、将来は文化遺産になるような伝統行事にし、次世代に継承しようと、函館市五稜郭エリアの有志が「五稜郭七夕まつり実行委員会」を立ち上げた。実行委が笹や笹飾りの寄付を募集するほか、参加店マップを用意。伝統文化を継承する展示も行い、五稜郭の一大風物詩としての祭りを目指す。

 「竹に短冊七夕祭り、オーイニイワオ ローソク一本ちょうだいな」。函館では、場所により文言が異なるところもあるが、毎年7月7日、子どもたちが笹の飾ってある家や店舗をめぐり、菓子をもらう伝統行事が行われている。

 五稜郭エリアでも七夕祭りが行われてきたが、近年、市内では笹飾りを行う個人宅や店舗が減少し、実施する個人・店舗の負担が増加。さらに、未就学児の家族連れや学区外の子どもが五稜郭エリアに集中して、昨年はシエスタハコダテ前で1000個分の菓子が2時間でなくなる状況にもなった。

 こうした課題を解決しようと、五稜郭商店街振興組合▽協同組合五稜郭▽函館梁川商興会▽五稜郭バル実行委員会▽本町仲通り会▽五稜郭タワーなどの有志が集まって実行委を組織。5月26日の初会合で、実行委員長には函館フーズプランニングの高野信子社長が、副実行委員長にはシエスタハコダテの岡本啓吾統括責任者が就任した。

 岡本副実行委員長(39)は「函館の七夕祭りの文化継承への思いと、課題解決のため、五稜郭エリアが一丸となることを目的に実行委を組織した」と話す。

 実行委では、山の所有者から笹の寄付を募り、100本程度用意する方針。笹飾りは近隣の児童館などに作成と寄付を募集し、笹100本分の笹飾りを用意する。また、祭りに来る子どもたちに、参加店が分かるようにマップを作り、当日配布する予定だ。

 ただ、実行委の話し合いの中では「規模を拡大し、子どもたちを大勢集めることを目的にすべきではない。函館の伝統文化を持続させるための取り組みにすべきだ」という意見が出された。そのため、当日はシエスタハコダテの屋外テラスに、函館の七夕の歴史や文化が伝わるような展示企画も実施する。

 高野実行委員長(39)は「多くの団体の方々が有志で参加してくれた。五稜郭エリアが七夕祭りで一丸となって、街の声を集め、五稜郭エリアの新しい価値を発信していきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社

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