旧小林写真館、来年3月閉店へ 10年で一区切り

update 2019/8/4 07:00


 道内に現存する写真館では最古の建物として知られる、函館市大町2の「旧小林写真館」が、来年3月末で閉店することが決まった。長らく空き家状態にあった中で2009年に新たな店子が入居、写真館として営業を続けてきたが、10年で一区切りをつける。

 旧小林写真館は1902(明治35)年、神戸から函館に渡ってきた写真師小林健蔵が開業。現存する建物は大火による類焼後の07(同40)年に再建したもので、木造2階建て、下見板張りの外壁に縦長の窓という明治末の函館の洗練された洋風の建築様式。89年3月に市の景観形成指定建築物に指定された。

 写真館として62(昭和37)年まで営業したが、空き家状態が長年続き、市住宅都市施設公社が住居や店舗としての有効活用を目指す「西部地区空き家再生事業」の対象として入居者を公募。市内美原3の谷杉写真館(谷杉アキラ代表)が入居し、09年8月から写真館として再オープンした。

 谷杉代表(51)は本店の合間を縫って予約制で営業し、売り上げの全額を建物の維持費に充ててきたが、来年度以降の契約がまとまらず、3月で幕を下ろすことを決めた。「写真館業界にとっては逆風の中、10年やって一定の達成感がある」と話す。

 同館ではビンテージ感たっぷりのポートレートを提供し、主に観光客に多く利用された。「ここで撮りたいと道内旅行の際にわざわざ寄ってくれるお客さんが多かった。古いだけでなく、人々の記憶を残す、写真館らしい写真館だったと思う」と振り返る。3日に訪れた室蘭市の村田博さん(62)は「玄関や建物の中に一つ一つ風情がある。普通の写真館では出せない表情が出たと思う」、同市の関浩勝さん(52)も「閉めると聞いて絶対来なければと思っていた。100年続いた建物で撮ってもらえて感慨深い」と惜しんだ。

 同館は開店10周年記念として、5日までの午前9時〜正午に特別営業を行い、フォトフレーム(25センチ×20センチ)と写真集セットで1万5000円で提供している。申し込みは同館(090・1386・4840)へ。

提供 - 函館新聞社

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