植物病理学知って 道総研チャンネル 道南農試・三沢さん
update 2026/2/20 19:55
道総研(本部・札幌)は、一般市民に研究成果を分かりやすく発信する「道総研チャンネル」をユーチューブで公開している。道南農試(北斗市本町)は今年1月から、植物病理学が専門の三沢知央研究主幹(52)が初めて登場し「農作物も病気になる?〜植物のお医者さんの奮闘」と題し、病原菌退治に挑戦する姿を伝えている。
三沢さんは、道総研が昨年11月に紀伊国屋書店札幌本店で開いた道民向けセミナー「道総研セミナー」で講演。講演は45分で、51人が聴き入った。講演の様子が道総研チャンネルで公開された。
道総研セミナーは2013年から開催し、今回が25回目。年に2〜3回、札幌で開き、現地に来られない人のため21年以降の13回分をユーチューブで公開(チャンネル全体の動画数は127本)。農試は大豆と小麦の品種改良に関する動画はあるが、病害研究は初めて。
三沢さんの講演内容は、病気の診断や防除対策の確立試験をする植物の医者″の活動を紹介。現在も農業生産の10〜15%が病害の発生で失われていると強調し、三沢さんはこれまで道内で未発生だったニラ褐色葉枯病など121個の新病害を発見。これは新しい作物の栽培、地球温暖化などの環境変化、品種や栽培方法の変化などに起因するとみられる。
病害の防除は、化学農薬(殺菌剤)や減農薬、農薬以外の防除法を取り上げた。
また、農作物と病原菌の戦いについても説明、三沢さんは「新しい病害が次々と発生するだけでなく、病原菌は進化し、抵抗性品種を打ち破る系統や薬剤耐性菌が発生している。私は30年間研究してきたが、活動に終わりはなく、植物病理学者は農薬メーカー、種苗会社と連携し、農薬や農薬以外の方法での病原菌退治の挑戦を続ける」とまとめた。
道総研は、アウトリーチ活動(普段接点のない人に分かりやすく親しみやすい形で教育普及・啓発活動を行うこと)に力を入れており、三沢さんは「これまで学術的な場面でしか講演したことがなく、一般の人に分かりやすく説明するのは大変だった。病原菌はなじみづらいテーマだが、家庭菜園で病害の発生で困っている人は多く、需要はある。ユーチューブで公開したことで、全国の人に見てもらい、植物病理学者を目指す高校生や大学生に興味を持ってもらえたら」と話している。
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