地酒「函館奉行」、熱燗コンテストで最高金賞 道産酒米品で唯一受賞

update 2025/10/12 20:37


 函館産の酒造好適米「吟風」を使った地酒「函館奉行」が、温めておいしい日本酒を選ぶ「全国燗酒コンテスト」(実行委主催)の純米酒プレミアム熱燗部門で最高金賞を受賞した。地元関係者は「今後の酒づくりの励みになる」と喜びをかみしめている。

 「函館奉行」は市内亀尾地区の休耕田を活用して2014年に純米吟醸酒として販売を開始。函館に酒蔵がなかった時期に、北海道新幹線開業による観光客増加を見据えて一般財団法人北海道食品開発流通地興(函館、谷沢広代表理事)が企画。醸造を小西酒造(兵庫県伊丹市)が手掛け、18年から米原町のコメ農家、日向由友さん(41)が吟風の生産を担っている。

 同コンテストは今年で17回目。8月に東京で審査会が開かれ、全国230社から939点の出品があった。審査は湯煎で55度にコントロールし、ブラインド審査で5段階評価を行うもので、函館奉行は道産の酒米を使った品では唯一の受賞。国内での最高金賞は、22年に「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」を受賞して以来2度目。海外ではイタリアのコンテストで2度受賞しており、通算4度目となった。

 3日の表彰式に出席した小西酒造の庄司明生常務(66)は「吟醸酒は冷酒で、純米酒は熱燗というのが一般的だが、函館奉行は酒自体がおいしく、熱燗で飲んでもおいしいと評価されたのがうれしい」と話す。谷沢代表(76)は、審査員から「熱燗でも香りが高く、繊細な味で素晴らしいと評価をいただいた」と喜んだ。市内で唯一酒米を生産する日向さんは「これからの米作りの自信になるし、自分の米にも価値が出てきたと思う」と話している。

     ◇

 11日には亀尾ふれあいの里で収穫祭が開かれ、神事の後に谷沢代表、庄司常務ら関係者8人が稲刈りを行った。

 今年は約3万2000平方メートルに作付けし、5月下旬に田植え。9月8日から稲刈りを進め、約18・5トンを収穫する見込み。日向さんは「今年は田植えからお盆時期まで降雨が少なかったが、田んぼの水は保てたので米粒が大きく、品質には自信がある」と手応えを示す。庄司常務は「(最高級品の)兵庫の山田錦に負けないくらい品質が上がっている」と話していた。

 年末から仕込みを始め、来年2月に新酒が販売される見通し。

提供 - 函館新聞社

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