北斗キャンプ場土砂流入 原因はソーラーパネル建設 事業者を行政指導
update 2025/12/4 19:45
【北斗】市営の「湯の沢水辺公園キャンプ場」(茂辺地市ノ渡)内の小川などに土砂が流入する問題が昨年夏からあり、池田達雄市長は3日、近隣の森林内で進む太陽光発電のソーラーパネル設置工事が土砂流入の原因との認識を示した。市は、道外に本社を有する事業者に対し、土砂流入防止のための恒久的な対策工事の実施などを行政指導したが、今夏も発生しており対策を実施しない場合、厳しい姿勢で臨む方針だ。
3日開かれた第4回定例市議会の一般質問で、前田治市議(無会派の会)の質問に答えた。
同キャンプ場は市民のほか、道内外の人々に利用される人気の場所。ソーラーパネルは1キロ以内の場所にある。2020年10月に工事が開始され、工事完了は25年12月末としているが、延期される見通し。
市によると、キャンプ場への土砂流入の確認は、2024年9月5日が最初。キャンプ場内に流れる小川が土砂で埋まり、一部キャンプサイトにも流れ込んだ。今年に入っても8月21日、9月21日に確認され、計3回発生した。
池田市長は「集中豪雨などの激しい降雨と、キャンプ場近くの森林内に設置された太陽光発電施設の工事に起因する影響が、複合的な要因となり、土砂流入が発生し、キャンプ場の利用に支障をきたしたことは、市として重く受け止めている。事業者に対し、厳しい姿勢で臨んでいる」と答えた。
市長は「集中豪雨の影響に加え、事業者が利用している作業道から流入した雨水により水路が増水し、土砂がキャンプ場内に流入したと推測される」と説明した。
建設が進む工事の森林の土地面積は、9・991ヘクタール、ソーラーパネルの敷地面積は4・68ヘクタール、設置パネル数は2万2860枚。市は昨年9月、最初の流入で事業者に対し、現状回復と防止のための恒久的な対策工事を実施するよう指導し、流入土砂の取り除きや、芝生などの現状復帰が行われた。
しかし今年2回目に確認された土砂流入の復旧はまだ対応がされていない状態。今後も大雨のたびに、土砂流入が心配される。
林地開発の許可権限を持つ市は「今回、起きた事案に対して、市の要領に応じて対応する。24年当時は、土砂の流入に対して、行政指導を行い、現状回復と恒久的な対応を求めた」と説明。土砂流入に対し、将来的に事業者が応じない場合は、中止命令、復旧命令など厳しい対応をしていく方針を示した。
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