キングサーモン、養殖2期目開始 規模拡大、大森浜沖のいけすでも飼育

update 2025/12/2 07:37


 函館市は、北大と連携して進めているキングサーモン(マスノスケ)完全養殖技術研究事業に関し、2期目の海面養殖試験を始めた。今期は、1期目で実施した函館漁港内に加え、新たに大森浜沖のいけすでも飼育を行い、規模を拡大。順調に育てば、来年6月末〜7月上旬に水揚げする。

 養殖試験は2021年度から取り組みを開始し、函館オリジナルの種苗、親魚を用いた持続的で品種改良可能な完全養殖を目標にする。国の地方大学・地域産業創生交付金を活用した「函館マリカルチャープロジェクト」の一環。今年9〜10月には、9000匹の稚魚のふ化を確認し、人工種苗を使った完全養殖での稚魚の生産に国内で初めて成功した。

 11月28日には、2023年に生まれた人工種苗の天然キングサーモンを親とする幼魚約200匹を市内の中間育成施設から函館漁港に運搬。トラックから漁船に移した後、漁船から縦5メートル、横5メートル、高さ3メートルの漁港内のいけすに投入。魚を傷つけないよう慎重に作業した。

 同日に予定していた大森浜沖のいけす(直径12メートル×高さ8メートル)への投入はしけのため2日に延期し、約600匹を同様に投入する。当初は大森浜沖で代替魚のサクラマスを使い22〜24年に行った試験中に金属製のいけすが破損し、魚が逃げる事案が発生したことから、いけす網の素材を化学繊維とした。

 市農林水産部の鹿礒純志部長は、養殖の重要性について「作り育てる漁業は海洋環境に左右されない非常に貴重な資源で、漁業振興のためには欠かせない」と強調。その上で「関係者の皆さんの努力に感謝している。これから育種を重ね、最終的には事業化に向けた品質の良いキングサーモンが育ってくれれば」と話している。

提供 - 函館新聞社

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