回転ずし 本州の大手出店攻勢

update 2016/11/15 10:05


 函館市内、近郊では近年、本州の大手回転ずしチェーンの進出が相次いでいる。低価格を売りにしてファミリー層の取り込みを狙い、交通量が多い幹線道路を中心に出店。一方、既存のチェーン店は質の高いメニューで対抗する構えだが、個人経営のすし店は利益の減少や後継者不足で閉店する店舗が後を絶たず、業界再編の波にさらされている。

 「は」の看板を掲げる「はま寿司」(東京)は2013年に函館進出。国道5号と道道函館上磯線(産業道路)の交差点に立地する桔梗店など、市内で2店を展開する。平日に実施する1皿90円(税抜)のサービスが人気を集め、駐車場は昼間でも混雑することが多い。

 元気寿司(栃木)が手掛ける低価格店「魚べい」は、直近2年で産業道路沿いに2店出店。「特定の地域に集中して店を出すドミナント戦略の一環」(同社)で、客の囲い込みを狙う。2社に加えて来年3月には業界最大手のあきんどスシロー(大阪)が美原1に新店を開業する予定で、客の奪い合いは必至の様相を呈している。

 低価格を武器に進出する本州大手に対し、市内の既存チェーン店は道産を中心とした鮮度の高いネタをアピールして差別化を図る考えだ。市内、近郊で「函太郎」ブランドを5店展開する吉仙(函館市中道)の広報担当は「人口減少が進む中でパイの奪い合いになっているが、鮮度の良さは負けない」と強気の姿勢だ。

 本店と柏木店の2店を構える函館まるかつ水産(函館市豊川町)の角谷邦彦営業統括部長は「100円で満足するか、質を求めるかの違い。観光客や年配の方々が多く来店しており、売り上げに変化はない」と話す。

 ただ、大手チェーン店の進出で閉店を余儀なくされた地場企業もあるほか、「すしまる」6店と「すしえもん」3店を道南で展開するやすけフーズ(函館市日乃出町)は、アイックス(札幌)に全株式を売却するなど業界再編も進んでいる。

 こうした中、個人経営のすし店は減少の一途をたどり、函館鮨同業会(柳沢政人会長)に加盟する店舗は、ピーク時の約4分の1となる32店まで落ち込んだ。同業会の相談役を務める鶴寿司(柏木町)の豊田隆夫店長は「後継者難で、店をたたむ仲間が多い。回転ずしが増えるのは時代の流れかもしれないが、質のいいネタを出してなじみの客を大事にしたい」と話している。

提供 - 函館新聞社

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