函館市史、旧東部4町村史などデジタル化/13日に公開

update 2016/11/6 09:49


 NPO法人スマートシティはこだて(代表理事・松原仁公立はこだて未来大教授)は、函館市史通説編や合併した旧4町村史など計9冊1万ページ余りをデジタル化し、13日に公開を始める。文章の全てがテキストデータ化され、指定したキーワードや年代での検索が可能。地域の歴史を手軽に調べることができるようになり、教育現場や地域史研究などさまざまな活用が期待される。

 自治体史のデジタル化は図書館振興財団(東京)の提案型助成事業に採択され、2500万円の助成を受け、2013年から3カ年かけて進めてきた。「TRC−ADEAC(アデアック)」が運営するデジタルアーカイブシステムを活用した。

 デジタル化したのは函館市史通説編の1、2巻、別巻の亀田市編、銭亀沢編、戸井町史、椴法華村史、南茅部町史(上、下巻)、恵山町史の計9冊。総ページ数は1万323ページとなった。TRC社に委託し、1ページごとにデータとして取り込んで、原本と照合し文章のテキストデータ化を進めた。ページのデータは、画像形式での閲覧ができるように公開される。

 複数の自治体史のデジタル化により、例えば「縄文」というキーワードで検索した場合、それぞれの自治体史ごとに何件の掲載があるかが結果として表示される。年代検索では、年表形式でも表示される。自治体史のほかにも、アイヌの資料や書画など58点の史料を高精度の画像データ化。全データは同NPOと市が保管する。

 同NPOの理事で公立はこだて未来大の川嶋稔夫教授は「一つの自治体史で1万ページを超えるデータのデジタル化は国内最大規模だろう。小学校や中学校での地域学習、観光情報の基データとしたり、メディア関係者の資料としても役立つと思う。合併した各地域ごとの特徴を知る上でも視点が広がり、面白いのではないか」と話す。

 今後、通説編3、4巻と史料編(全2巻)、都市・住文化編など残る7冊の市史のデジタル化も進めたい考え。13日に市中央図書館デジタル資料館( http://archives.c.fun.ac.jp/ )内で公開になる。

 デジタル化の成果公開を記念し、13日午後1時から市中央図書館でシンポジウム「函館史料アーカイブから地域を理解する」を開く。デジタル資料の公開に続き、アデアック考案者の石川徹也筑波大名誉教授(元東大特任教授)が「地域資料の総合デジタル化事業の意義と拡充への期待」と題し講演。市中央図書館や市立函館博物館で館長を務めた長谷部一弘さんが函館の歴史について語る。入場無料。問い合わせは、公立はこだて未来大松原研究室(0138・34・6125)へ。

提供 - 函館新聞社

その他の新着ニュース

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです