市民会館長期休館へ 各団体、代替施設確保が急務

update 2016/9/14 09:37


 函館市民会館の耐震改修工事に向けた実施設計費を含む予算が13日の市議会で成立し、同館は2017年11月以降、休館となる見通しだ。市教委は休館期間を20年3月までの2年5カ月間と見込む中、道南最大の大ホール(固定1370席)を上回る規模の施設は近隣になく、市民会館を利用してきた各文化団体などは、代替施設の利用・確保に向けた早急な検討が必要となりそうだ。

 市民会館には大ホールのほか、いす500脚を並べることができる小ホール、会議室などがある。市教委の想定では17年8月に実施設計を終了。この間に具体的な工期や工事費が固まる。同9月の市議会で工事事業費を盛り込んだ予算案を提出。市民会館は工事に向けた資材搬出を含め、同11月から休館する。着工後は20年1月の完成、同4月の利用再開を見込んでいる。利用予約は12カ月前となる今年11月以降、受け付けを停止する見通し。

 市文化・スポーツ振興財団が公表している大ホールの予約状況をみると、今年10月に終日予約が入っていない日は8日間のみで、器材点検日を除けば1カ月の3分の2が利用されている状況。代替施設の一つとして市芸術ホールの利用増が想定されるが、同ホールの客席は多目的舞台設営時で838席、音楽舞台時は708席。市民会館同様に10月の3分の2は予約で埋まるなど、利用頻度が高い。

 このほか、近郊では固定1000席の大ホールがある、北斗市総合文化センターや七飯町文化センターがあり、ともに12カ月前から予約を受け付けている。

 市民会館の建て替えを求めてきた「市民会館のこれからを考える会」(宍戸雄一代表)は、予算案可決を受けて「耐震改修ありきで、建て替えの可能性を具体的に検討してもらえず残念。決まった以上は、現状の施設がより使い勝手のいいものとなるよう要望していく」とする。一方で「芸術ホールやアリーナは施設の特性が違い、代替施設があるからいいだろうということにはならない」と話す。

 例えば、函館地区吹奏楽連盟が主催する函館地区吹奏楽祭は、毎年2日間の開催で道南の小学校から一般までの約100団体、約3000人が出演、来場者も延べ4500人を超える。コンクール地区大会も2日間の日程で行われ、団体の編成にもよるが、50人以上の出演者の入れ替えが繰り返される。昨年7月の大会が函館アリーナのこけら落とし公演と重なったため、同連盟は近隣施設の利用も検討したが、スムーズな運営に欠かせない動線確保に課題があるとして、市民会館での開催を判断した経緯があるという。

 また、はこだて音楽鑑賞協会は年6回開催している鑑賞会のほとんどが大ホールを利用。1050人の会員の8割以上が市内在住で、近隣施設では交通利便性が低下する。梶原康男事務局長は「客席数によっては2回公演の開催を検討しなくてはならなくなるが、財政的には厳しい。芸術ホールの予約競合も懸念される」と頭を悩ませている。

提供 - 函館新聞社


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