中国定期路線相次ぎ運休 北京・杭州線、搭乗率維持に苦戦

update 2016/5/8 10:36


 函館空港との国際定期航空路線を持つ中国の航空2社の路線が相次いで運航休止となる。中国国際航空の北京線は今月2日を最後に運航を停止。中国東方航空の杭州線は21日以降の夏ダイヤ期間(10月29日まで)の休止を決めた。ともに旺盛な訪日需要を背景に昨年就航した路線だが、安定した搭乗率の維持に苦戦したとみられる。

 中国国際航空の北京線は昨年7月に就航。164人乗りの機材が毎週月、金曜日の週2往復していた。市港湾空港部によると、月別の路線の利用率は50%前後で推移し、最高でも今年2月の65・5%で、40%を割り込んだこともあった。同社は運航停止について「市場の影響と機材繰り」とする一方で、今年3月27日以降の夏ダイヤでは、新千歳−北京線を週4便から週5便に増やしている。

 また、中国東方航空の杭州線は156人乗り機材で毎週火、土曜日の週2往復している。同社札幌支店は「運休は本社の決定によるもの」とする。就航後の利用率は同12月が66・7%、1、2月は75%前後で好調だったが3月は43・8%に落ち込んだ。同社は夏ダイヤ期間の休止としており、冬ダイヤ以降の再開には含みを持たせる。

 日本政府観光局(JNTO)のまとめでは、訪日中国人客の約6割が団体旅行。昨年は7、8月の夏場に57万〜59万人台とピークとなり、今年2、3月も49万人台と前年同月を上回る状況で推移した。函館線の運航休止の背景には、冬ダイヤから予定される新千歳空港の発着枠拡大の影響や、安定した団体宿泊の確保が困難になっている状況を指摘する声がある。

 2社の休止で函館と中国との路線は天津航空の天津線(週2便)のみとなる。同部港湾空港振興課は「休止のタイミングが重なり、非常に残念。1日も早い再開を期待したい」とする。7月には市の官民トップによる観光客誘致訪問団が訪中し、中国の航空各社も訪問する予定。

 市観光部国際観光課は「函館に直接乗り入れする客は減るが、定期便がない時から来函中国人客は増えており、全体の入り込みに影響するような減少までは考えていない。引き続き、中国でのプロモーションにも力を入れたい」としている。

提供 - 函館新聞社

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