高田屋嘉兵衛の功績後世に 顕彰会発足、6年ぶり事業

update 2016/4/26 10:29


 函館発展の基盤を築いた江戸後期の豪商高田屋嘉兵衛(1769〜1827年)の偉業を顕彰する「箱館高田屋嘉兵衛顕彰会」の設立総会が25日、函館商工会議所で開かれ、今年8月1日に顕彰・追悼式典を開催するなどの事業計画を決めた。

 函館では、1976年から顕彰事業として夏に「箱館高田屋嘉兵衛まつり」を開催してきたが、2010年を最後に休止。昨年、函館商工会議所創立120周年記念事業の一環で同氏の顕彰事業を行ったことから顕彰会設立の機運が高まり、総会開催に至った。

 冒頭、発起人を代表して函館商工会議所の松本栄一会頭があいさつし「嘉兵衛翁なくしては現在の函館はあり得ない。函館の恩人の顕彰事業を再開できることは地域にとって大きなお喜びだ」と述べた。

 会長に十字街商盛会の松田俊司理事長を選任したほか、顧問に工藤寿樹函館市長、松本会頭、函館国際観光コンベンション協会の渡邉兼一会長を選んだ。松田会長は「微力ながら精いっぱい務めていく。小学校高学年を対象に嘉兵衛翁の功績を記した副読本を配布し、函館の未来を担う人材育成の一助に努めたい」と決意を述べた。

 顕彰・追悼式は8月1日、宝来町の高田屋嘉兵衛像前で開催予定とし、献花や舞踊奉納を行うとした。翌2日午後4時半には、嘉兵衛の出身地である兵庫県洲本市の関係者らと港まつりのメーン行事「ワッショイはこだて」の十字街・松風コースにパレード参加する予定などを確認した。

 高田屋嘉兵衛は、1796(寛政9)年、当時国内最大級の1500石積みの船辰悦丸(●しんえつまる)に乗り、箱館を拠点に活動。国後島・択捉島間の航路開拓や、摂津池田(現・大阪府池田市)のマツやスギの苗を運び、函館山で最初の植林を行った。1806(文化3)年の函館大火では私財を投げうって物資を提供、井戸を掘削してポンプを寄贈するなどした。1811(同8)年、ゴローニン事件に巻き込まれてカムチャツカに連行されるが、日露交渉に尽力し事件を解決へ導いた。

提供 - 函館新聞社

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