土地開発公社の長期所有地、早期解消を

update 2016/4/5 10:22


 函館市包括外部監査人の高地保之税理士は、市が出資する6団体を対象に実施した2015年度の包括外部監査報告書をまとめた。市が100%出資する市土地開発公社は、地価の下落に伴い、所有する土地の簿価と時価の乖離(かいり)が拡大しているとして、長期間保有する土地の早期解消を進めるよう求めた。

 同公社が所有する土地は函館駅前土地区画整理事業用地など12件、10万9159平方メートル。公社は市に代わり、公共施設や道路建設などの事業用地を取得し、市が土地を活用する際に、「購入時の価格に経費や借入金の支払利息を上乗せした金額」(簿価)で市が買い戻す仕組み。実際には地価の下落などで、土地価格と簿価の乖離が拡大し、土地の所有が長期間となるほど、含み損≠ェ発生している土地がある。

 市が4月にもプロポーザル方式で活用事業者の公募を開始する駅前の公社所有地(6352平方メートル)をみると、昨年3月末時点の簿価は20億2429万円なのに対し、公示価格ベースの時価は3億342万円となり、17億2000万円もの差が生じている。

 公社所有の12件のうち8件が時価が簿価を下回る状態で、簿価合計が31億3780万円に対し、時価合計は12億3307万円となり、19億円余りの開きがある。担当した蛸島一伸税理士は「時価が相当下落しており、台帳価格(簿価)で買い取ると市の財政悪化が懸念される」と指摘した。

 一方、市などが出資する第三セクター「函館空港ビルデング」については、道内の国管理空港などを民営化する動きに対し、「地域が主体性を持って運営することが望ましい」と監査意見を付した。その上で▽函館空港ビルが主体となって単独運営が可能か▽バンドリング(他空港との一括民営化)した場合の会社の経営に携わる方法−について有識者懇談会を早急に設置し、検討を進めるべきと指摘した。

 このほか、市文化・スポーツ振興財団、函館国際貿易センター、函館サイロ、市社会福祉協議会を監査対象とし、高地税理士は「今後の問題として、財政を圧迫するような団体もある。設立の背景、今の経済状況など、条件が変わってきている。現状に合わない部分は常に見直しを図っていただきたい」とした。  監査結果は市のホームページで公表している。

提供 - 函館新聞社

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