経済界、空ビルと協議進める 空港民営化で工藤市長

update 2016/3/17 10:13


 民活空港運営法に基づき、国や道で函館空港を含めた国管理空港の民営化に向けた検討が進められていることを受け、函館市をはじめとする地元空港関係者が動向を注視している。工藤寿樹市長は16日、「国や道において、今後、空港民営化に向けた取り組みが進められると考えている。地元経済界、函館空港ビルデングとの協議を進め、道とも協議して検討を深めたい」と述べた。

 同日の市議会第1回定例会個人質問で、井田範行氏(市民クラブ)への答弁。

 民活空港運営法は滑走路や空港ビルなどの運営を一体的に民営化するための法律。道内には函館を含む4つの国管理空港(新千歳、稚内、釧路)と、市管理空港(旭川、帯広)など13空港がある。

 高橋はるみ知事はこれまでの道議会で、「(民営化は)空港の機能強化や道内航空ネットワークの充実などの面で大きく貢献する可能性がある」などと答弁。高橋知事と会談した菅義偉官房長官は16日、「国管理4空港を一体的に民営化したい。全面的に協力してほしいと知事に要請した」と述べ、道との協議を加速させる考えを示した。

 函館では、国や道のこれまでの動きを踏まえ、市と函館商工会議所、函館空港ビルデングの3者間の事務レベルで協議、情報収集を進めている。工藤市長はこの日の議会で「道に対して必要な情報収集、開示を求め、地域の要望や考え方を伝えていく」と述べた。

 国土交通省が1日に発表した2014年度の国管理空港別収支の試算結果によると、丘珠を含む道内5空港で、営業損益が黒字となったのは新千歳のみ。函館は11億7700万円の赤字で、道内で赤字額が最も大きい。ただ、民営化を検討するにあたり、1年間の実質的な利益水準を示し、経営状態を適切に把握するための指標となる「EBITDA」を用いた場合、函館の赤字額は4000万円で、新千歳以外の道内空港よりも赤字額は少ない。

 政府の意向を踏まえると道内空港民営化の議論、検討が一気に進むとみられ、道は本年度内に民営化の論点や課題を示す。函館では、これまで市や経済界、空ビルなどが一体となって活性化に向けた取り組みを進めてきており、地域の特性を生かした運営が民営化後も維持できるかといった点や、一括民営化(バンドリング)の枠組みなどさまざまな選択肢や可能性について、函館でも議論が進むとみられる。

提供 - 函館新聞社

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