函館駅や新函館北斗駅ほか、いよいよ交通系ICカードKitaca対応に【話題】2023/12

12月13日JR北海道は交通系ICカード「Kitaca」の2024年3月からの利用可能エリア拡大を発表しました。対象駅に函館駅、五稜郭駅、桔梗駅、大中山駅、七飯駅、新函館北斗駅が含まれ、念願の北海道新幹線からはこだてライナーや特急北斗など在来線へのズムーズな乗り換えが実現します。

Kitaka対応は原則として交通系ICカード互換を意味します。函館駅・新函館北斗駅間の在来線での交通系ICカード非対応は北海道新幹線が開業した2016年当時から非常に指摘の多かった点で、函館市内への利用客の多い北海道新幹線からはこだてライナーへの乗り換えではわざわざ紙切符を購入するなど不便さを強いられてきました。また、函館市内を走る函館市電も交通系ICカード(ICASnimoca)対応なことから、来函する旅行者にとっては余計に函館駅・新函館北斗駅間の交通系ICカード非対応の「空白」が目につく疑問点だったかも知れません。

そんな不便さがとうとう来春には解消されます。便利な交通系ICカードでの乗り換え対応で新幹線から函館市内や道南へのスムーズな乗車体験で、来春からは(ちょっとだけど)より快適な旅行が楽しめるようになります。

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おまけ:なぜ今頃になって?

北海道新幹線札幌延伸を2030年に控えて(延期議論はさておき)、長期の経営難なJR北海道が2016年の北海道新幹線開業から放置し、鉄路での来道客に快適ではない旅行体験を強いてきた交通系ICカード非対応の改善を、なぜ今頃になって決断出来たのか。驚きと疑問、というのが正直な感想でした。

現在函館市の大泉市長が取り組む新幹線の函館駅乗り入れ絡みはともかく、今回対象となった函館駅から新函館北斗駅までの6駅は札幌延伸時にJR北海道から切り離される並行在来線の駅です。つまり、どうぜ長くても10年経たないうち手放すはずの駅。近年の無人駅や少ない乗降客数の駅の廃止はじめ、赤字線の廃線協議や一部車両所の廃止などなど、採算性重視の姿勢を強め赤字削減に長く取り組んでいるJR北海道がどうして何れは捨てるはずの駅に新たな設備投資を決断したのでしょう?

JR北海道の記者会見では”交通系ICカード利用を求める声が多かった”としてるようですが・・・
例えば、近年JR北海道が取り組むみどりの窓廃止や発券のチケットレス化など、利便性向上&コストカットの方向性の延長線上で、(今後数年間のためだとしても)最低限のインフラとして売上アップ施策に繋げるためにも特急が走る路線を全て交通系ICカード対応駅にすることにした、とうだけの理由かも知れません。
それとも、ひょっとして貨物路線維持の行方や新幹線函館駅乗り入れに関連した今後を見越してのことでしょうか?

「出来るんなら最初からやってくれよ」と突っ込まれるのは当然だろうと思いますが、ともかく、便利になるのは大歓迎ですね。