遺品整理業者が「こころのリレー」活動 使用可能な家財道具を支援団体へ寄贈
update 2026/2/3 07:25
【七飯】核家族化や孤独死の増加が深刻な社会問題となる中、道南・道央圏を中心に遺品整理や特殊清掃を手掛ける七飯町の「こころ屋」(藤田承申代表)は、遺品整理の現場で発生するまだ使用可能な家財道具を支援団体へ寄贈する「こころのリレー」活動を続けている。故人が大切にした物を生かしてほしいという願いと共に、地域の福祉現場へバトンをつなぐ取り組みを進めている。
藤田代表が同事業を立ち上げた原点は、16年ほど前の葬儀社に勤めていた時代にさかのぼる。葬儀を終えた後、遺族は膨大な遺品の片付けに直面するため、途方に暮れる人も少なくなかったという。
藤田代表は「一番大変な時期にこそ、心に寄り添う手助けが必要だ」との思いから専門資格を取得し、約8年前に独立。現在は孤独死や自死といった遺族が足を踏み入れにくい現場も経験した。遺品整理は単なる清掃ではなく、遺族が前を向くための「空間の再生」でもあるという。
同社が新たに本格始動させた「こころのリレー」は、遺品整理の際に出る衣類、生活家電、文房具、食器などを、地域の福祉施設や子ども食堂、動物愛護団体などへ届ける試みだ。通常、遺品整理の現場ではリサイクルできない多くの品が廃棄処分となる。しかし、故人が愛用していた品々を「ごみ」として扱うことに、藤田代表は長年、強い違和感を抱き続けてきた。「まだ使えるものを必要としている場所へ届けることができれば、故人の生きた証が誰かの役に立つことになる。遺族にとっても、悲しみを癒やす一助になるはずだ」と語る。
この活動は、遺族の「グリーフケア(悲しみの癒やし)」としての側面もある。故人の持ち物が誰かを笑顔にするという循環は、残された人々にとっての救いとなるという。
活動の透明性を保つため、寄付先は公的機関や支援団体に限定。営利目的の転売にされるのではなく、助けを必要とする人々の元へ届くようにするためだ。
寄付の活動は2024年から行っており、タオル、トイレットペーパー、生活家電など年間約30回、5000点以上になる。寄贈先も包括支援センター、動物愛護団体、高齢者施設などさまざまだ。
同社は単なる清掃業の枠を超え、地域の「心のインフラ」としての役割を担おうとしている。遺品整理から始まるこの小さなリレーが、今日も誰かの明日を支えている。
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