平均滞在時間約3割上回る 今年の港まつり期間中の観光行動を可視化、はこだてIKAが調査
update 2025/10/29 19:58
道南のIT企業や技術者でつくる「道南ITコミュニティはこだてIKA」(中村拓也代表)は、今年8月1〜5日に開かれた「函館港まつり」期間中の観光行動をAI(人工知能)ツールを活用して調査した結果を公表した。JR函館駅周辺では平均滞在時間が昨年同時期を約3割上回り、夜8時〜10時台のアクティビティーが増えたほか、期間中に湯の川温泉で2〜3泊する宿泊客が多かったことなどが明らかになった。
調査は東京のIT企業レイ・フロンティアが開発したアプリ「SilentLog(サイレントログ)」を活用。アプリは3秒に1回位置情報を取得し、移動経路や滞在時間を推定できるのが特徴で、IKAのメンバーでレイ社社員の岩井若菜さん(36)が観光行動の可視化を図ろうと、滞在時間や滞在密度(ヒートマップ)、歩数・歩幅などの移動特性といったデータを分析した。
今年の港まつりはGLAYのボーカル・TERUさんが「ワッショイはこだて」に2日間とも参加して例年以上に注目を集めた。分析結果では、同アプリ利用者の函館駅周辺での平均滞在時間が2024年に約79分だったのに対し、今年は約103分に増加。平均歩数で24年比26・8%増、平均移動距離が同27%増となったほか、平均年齢も約42歳から約39歳に下がったとし、「今年は若年層の増加と夜間行動の活発化が顕著で、観光客の行動が多様化していることが確認された」とした。
市内の主要エリアを比較した分析では、湯の川温泉は2〜3泊の長期滞在が多く、温泉と観光を楽しむ傾向が出たほか、函館駅前では1〜2泊の短期滞在やビジネス客が中心、五稜郭は観光と宿泊の中間に位置することが判明。
また、まつり期間中の8月2日の来訪者の行動例を調査。午前中にカフェや施設で休憩をとり、午後に街なかの散策と移動、夜はベイエリアや元町に滞在後、最終的に函館駅周辺に戻る―といった過ごし方が分かった。
岩井さんは得られたデータについて「港まつりの後に市内を回遊している人が増えていた。夕食をとる場所を探して歩いていることも確認できた」とし、道外観光客の比率が高かったとする。その上で「円安の影響で国内旅行を考えたときに、函館は候補に挙がりやすい。港まつりに接することで、より関心を引き付けやすくなるのでは」と話す。中村代表(39)は「今後増加が期待される体験型観光や、それを含めたパッケージ・冊子を提案する際に参考になる。函館や道南をさらに楽しんでもらえる状態が出来上がることを期待したい」と話している。
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