函館養殖コンブ2747トン 5年前の2割減
update 2025/12/12 20:40
函館市は、市内5漁協での養殖コンブ生産量(乾燥重量)について、2024年度が2747トンとなり、5年前(19年度)に比べ2割減少したことを明らかにした。高水温などが原因と指摘されているほか、高齢化や後継者不足でコンブ養殖漁業に携わる人の減少も減産の要因となっている。
道内全体のコンブ生産量も、24年度は統計開始以来初めて1万トンを割り込む歴史的な不漁となった。道水産物検査協会のコンブ格付け実績数量は8213トンと、前年度の1万2245トンに比べ減っており、中でも天然コンブは8506トンから4790トンへと大きく落ち込んだ。
市によると、市内の養殖コンブ生産量は19年度が3342トン、20年度が3558トン、21年度が3300トン、22年度が3078トン、23年度が3123トン、24年度が2747トンと推移している。
市のコンブ養殖漁業は栽培技術の確立以降、マニュアル化が進み、これまで多くの漁業者が取り組んできたが、近年は温暖化での海水温上昇に起因するコンブの根腐れや脱落のほか、品質低下を招くヒドロゾアなどの生物がコンブに付着し、廃棄せざるを得ない状態のものが増加している。また、養殖コンブ就業者の減少も減産に拍車を掛けている。天然コンブが激減する中、養殖コンブに頼らざるを得ないのが現状だ。
市は、北大や函館地域産業振興財団と連携し、22年度からコンブ養殖技術研究事業に着手。コンブを人為的に成熟させ、早期に種苗を生産する「成熟誘導技術」の導入を研究しており、各漁協が運営するコンブ種苗センターに技術移転を行うなど、将来に向け安定した種苗生産が可能になった。
種苗の保存技術では、長期間保存した配偶体を種苗化する技術の研究が実用化の段階に近づいており、高温耐性を有する種苗についても、種苗を育成する環境を管理することで高温への耐性を付与できる可能性があることを確認し、コンブ養殖技術の研究は順調に進んでいる。
コンブは陸上での乾燥作業が大変な労力がいるため、現場での大きな課題になっている。人口減で家族や地元住民の協力が得づらくなっており、市は都市部の若者が一定期間地域に滞在し、働いて収入を得られる国の支援制度を活用した担い手確保対策の検討、労力を要する乾燥作業を必要としない生コンブの活用と商品化に向けた研究、産業機械などスマート技術を利用した乾燥作業の省力化に向けた支援に力を入れている。
9日にあった市議会第4回定例会一般質問で、佐藤留義氏(新市政クラブ)の質問に、鹿礒純志農林水産部長が答えた。
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