西川さん時代小説「千坂京之介事件帖」第2弾刊行

update 2025/8/27 06:34


 函館在住の作家、西川司さん(67)の時代小説シリーズ「峰打ち同心 千坂京之介事件帖(ちょう)」第2弾「罪の仇花(あだばな)」がこのほど、光文社文庫から出版された。四季それぞれで京之介らが事件を追う。西川さんは「ひたむきに生きてきた人らに起きる出来事。読む人がそれぞれに気に入る物語があると思う」と話している。

 西川さんは放送作家や脚本家などで活躍。2023年に自身初の時代小説「深川の重蔵(じゅうぞう)捕物控ゑ」(二見書房)を刊行。同作の主人公で岡っ引き「重蔵」の同心「京之介」が主役というスピンオフシリーズだが、両作品のほか「ふうらい同心 日暮半睡」(コスミック出版)も書き下ろすなど多忙を極める。昨年から体調を考慮し、年3冊の執筆としている。

 「1年ぶりに京之介の世界観を描くのに(京之介を)自分の中に入れるのは大変だった」と話す。「ぬれぎぬ」、「鴉(からし)のお足」など4話は女湯や金貸し、役人など江戸後期の社会や生活文化を読み手に理解させながら事件解決への推理に引き込む。ライバルとの対立、一刀流免許皆伝の腕前を持つ京之介の剣術シーンは緊迫感にあふれ、時代小説の初心者でも夢中になれる。

 話の中心となったり、京之介らを囲んだりする重要人物はすべて女性。「偶然にそうなった。華のあることで編集者と話し『罪の仇花』とした」と西川さん。その人物が善なのか悪なのかなど思わぬ急展開がある一方、事件解決後は後味の良い結末としている。

 西川さんは「京之介の剣劇や追及にスリルを与え、庶民の力になるような所作や人情味あふれる場面にふさわしい言葉も時代小説の味わい。ぜひ楽しんでほしい」と薦めている。

 320ページ、880円で各書店、オンライン書店で販売中。今秋には「ふうらい−」の新刊も予定する。

提供 - 函館新聞社

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