イカ漁、今年も低水準 有識者ら資源予測

update 2018/5/31 07:16


 道南スルメイカ漁の6月1日解禁を前に、有識者らがイカに関するさまざまな情報を提供する「イカ資源評価と予測に関する講演会」(函館国際水産・海洋都市推進機構など主催)が30日、函館市国際水産・海洋総合研究センターで開かれた。今期の資源予測について、急激な資源回復は見込めず、昨シーズンと同様に水揚げは低水準となる可能性が示された。

 漁業関係者ら約220人が参加。有識者5人がイカの資源予測などについて講演した。このうち函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長の講演では、スルメイカを含んだ回遊資源の動向を紹介した。

 過去4年間の1月におけるスルメイカの推定産卵場を比較すると、「2018年は産卵場の縮小が顕著だ」と警鐘を鳴らしながら、10年以降にみられるスルメイカやマアジなどの漁獲減は「1977、78年にみられた魚種交替に類似している」と説明。「2016、17年の2、3月の東シナ海の海水温低下が産卵場を縮小させ、スルメイカの冬生まれ群の漁獲減につながった」と語った。

 さらに、「過去3年間に親イカの資源尾数が3分の1にまで激減していることからみても、今期中に漁獲が急激に回復する可能性は少ない」との見方を示し、「親イカ資源の保護管理策の検討が必要かもしれない」と提言した。

 講演後の総合討論では、桜井所長らが会場から寄せられた質問に答えた。「温度変化に耐えられるような、品種改良したイカは生み出せないのか」といった質問に対し、桜井所長は「イカ類ではとても難しく、現状はイカにとっての適水温を見つけることが重要だ」と述べた。

提供 - 函館新聞社

その他の新着ニュース

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです