森町のイワムラ水産、養殖カキ本格出荷へ 6次産業化目指す

update 2018/4/5 23:05


 【森】イワムラ水産(尾白内22、岩村雅美社長)は、森町で養殖したカキを「ほてい牡蠣(かき)」「秀峰牡蠣」と命名し、本格出荷に乗り出す。5年以内に100トンの水揚げが目標で、地元に加工工場とカキの提供スペースを新たに設け、6次産業化を図る。同社は「身入りの良さと口の中に広がる海の旨味(うまみ)が強み」とPRする。

 同社は45年ほどホタテ漁を手掛けていたが、海の変化によりホタテが「へい死」したり、台風の影響を受けたりして、水揚げ量が減少。同社では近年、最盛期の3〜4割ほどまで落ち込んだという。この減少の穴を埋めようと、海水温度の変化に強く、水質を浄化する作用があるカキ養殖への参入を決意した。

 噴火湾にカキ養殖業者はおらず、岩村和俊専務は2年前から知内町や釧路管内厚岸町、オホーツク管内湧別町などカキ養殖が盛んな地域を視察。「海の状態や深さなどによって養殖方法が異なることが分かった」と、名産地の生育方法を参考に独自の技術を模索した。種ガキ(稚貝)を宮城県石巻市から買い付け、試験的に噴火湾で養殖したところ「身入りが予想以上に良かった」(岩村専務)と、事業化を決めた。

 本格出荷に向けて株式会社化し、今月中旬にはカキをむく加工工場建設を開始、夏に竣工する。大きさの規格を定め、道内や関東、名古屋方面に出荷する。地元住民にも親しんでもらおうと、尾白内の古民家をカキを提供するスペースに改装する。

 ほてい牡蠣は、七福神の一神「布袋」の肥えた腹を思わせる大粒の身が由来。秀峰は、駒ケ岳の恵みを含んだ濃厚な味を表現している。近く商標登録に向け申請する。

 また、カキ養殖に参入する漁師にはノウハウを提供し、統一したブランドでのPRを見込む。岩村専務は「前例のない事業だが、成功例を作り、森町全体で盛り上げていければ」と意気込んでいる。

提供 - 函館新聞社

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