函館サーモン 初の外海養殖に挑む 規模拡大へ
update 2025/11/29 07:23
函館市漁協の下部組織「函館サーモン養殖部会」が取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖試験で、今期から従来の函館漁港内に加え、新たに湯の川漁港の沖合にいけすを設置し、幼魚(種苗)の外海養殖に挑む。来年5〜7月に昨期の6倍となる180トンの水揚げを目指しており、規模拡大で旺盛な需要に応える。
海面養殖試験は5期目。福島県を中心に中間育成した幼魚について、昨期(1万2000匹)を大きく上回る9万匹(1匹あたり500〜600グラム)を購入し、函館漁港内のいけす6基のほか、湯川沖の円形いけす2基(直径25メートル、深さ10メートル)で飼育する。函館漁港での試験で得られた知見や経験を生かし、初めて外海養殖に挑み、生存率85%が目標。部会員がイカパウダーを混ぜ込んだオリジナルの餌を与え、1匹平均重量3キロの大型化を目指す。
今月12日〜12月上旬に幼魚を放流しており、幼魚は1日あたり4000〜2000匹を放流。湯川沖には函館漁港にトラックで運んだ幼魚の馴致作業(淡水から海水にならす)を荷台の水槽で行った後、養殖船「第一幸生丸」(19トン)の水槽に移し替え、船上でも馴致しながらいけすに運んでいる。
部会によると、函館漁港のいけすは6基のまま、湯川沖は来年から3年かけていけすを毎年2基ずつ増やし、2028年に8基とし、計630トンの水揚げを計画している。
市漁協は、スルメイカや秋サケなど天然魚の不漁で漁業者を取り巻く環境が厳しさを増す中、育てる漁業に活路を見出すため21年に部会を結成しトラウトサーモンの海面養殖に着手。商標登録した「函館サーモン」の名称で、地元のスーパーや飲食店に出荷しており、一部は道外にも送っている。
水揚げした函館サーモンは船上で活締めし、脱血処理をする。加工・販売はマルナマ古清商店が担う。
部会長の松川雅樹さん(39)は「函館サーモンは需要に供給が追い付いておらず、規模拡大で量を確保したい。上品な脂で食べやすいと評価が高く、楽しみにしているお客の要望に応えたい」と話している。
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