ロシア極東大閉校へ 25年度の入学募集停止
update 2024/6/13 13:35
ロシア極東大函館校(元町14、イリイン・セルゲイ校長)を運営する学校法人函館国際学園(渡辺善行理事長)は12日、2025年度の新入学生募集を停止すると発表した。具体的な閉校の時期は示されていない。ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で入学者数が急減したことなどが理由で、1994年の開校から30余年で幕を閉じることになる。同校は取材に対し、「14日にならなければ話せない」としている。
函館国際学園は5月29日に理事会と評議員会を開き、学生募集を停止すると決議、10日に所轄庁に届け出を提出したと公式ホームページで明らかにした。
募集停止の理由について、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻の影響による対露感情の急激な悪化に加え、少子化の影響も重なって入学者数が急減。今年度の入学者は3人にとどまり、在校生数も14人と、経営継続に必要な在校生数33人を満たせず、定員を充足できるだけの入学者数回復が見込めないと判断した。
同校はロシア・ウラジオストク市の極東国立総合大学(現・極東連邦総合大学)の分校として函館市に誘致され、1994年4月に開校。96年に函館国際学園が運営する専修学校「ファーイースタンステイトユニバーシティ函館校」として発足し、2006年には文部科学省から「外国大学の日本校」として指定を受けた。07年4月には校名を「専修学校ロシア極東大函館校」、11年1月に「ロシア極東連邦総合大学函館校」へ変更。現在は4年制のロシア地域学科(定員40人)と2年制のロシア語科(定員40人)がある。
開校以来、日本唯一のロシアの大学の日本校として人材を養成し、30年間で270人以上の卒業生を輩出。08年11月にはロシア語やロシア文化の普及を目的とした「函館ロシアセンター」を開設し、同国のラブロフ外相が訪れるなど両国の外交にも寄与した。
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