函館の養殖コンブ経営体数25%減 10年後さらに4割減
update 2024/1/12 21:36
函館市は、市内で養殖コンブ漁業を行う漁家経営体数が2022年度に544となり、13年度(720)に比べ25%減少したことを明らかにした。高齢化や後継者不足、重労働の作業などが要因。10年後の推計値は339と、22年度からさらに4割減ると見込んでおり、市は就業者を増やす施策や、環境変化に強い養殖技術の確立に力を入れる考えだ。
経営体数は、市内5漁協(函館市、銭亀沢、戸井、えさん、南かやべ)の合計で、13年度に720だったのに対し、直近では20年度が592、21年度が576、22年度が544と13年度より176減った。また、市が22年度に実施した漁業就業実態調査によると、漁業者数の減少と同時に養殖コンブ経営体も大幅に減少し、10年後には339と4割減少する見通しだ。市水産課は「現在主力の50代、60代、70代が、あと10年したらやめると回答した人が最も多かった。これまで養殖コンブの主力を担ってきた世代の変化が今後10年で起ころうとしている」とみる。
市内では就業者のリタイアに伴い、養殖コンブの生産量も減少傾向になっている。13年度は3832トンあったが、14年度3636トン、15年度3407トン、16年度3087トン、17年度3557トン、18年度3515トン、19年度3342トン、20年度3558トン、21年度3300トン、22年度3078トンと推移。同課は「養殖生産は比較的安定しているが、就業者がやめたことが生産量減の一因ではないか」としている。
市は、養殖コンブの新たな働き手となってもらうための施策を検討しているほか、国の地方大学・地域産業創生交付金事業で北大、道総研函館水試が試験的に取り組んでいるコンブの成熟を人為的に促す成熟誘導の技術を使い天然コンブから母藻を確保するなど、現場と一体で対策を進めている。
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