地域と命守る、意識醸成 巨大地震に備え道が講師養成講座

update 2024/1/29 20:32


 道は日本海溝・千島海溝沿いを震源とする巨大地震に備え、地震の仕組みや早期避難の重要性を住民に呼び掛ける講師の養成講座を渡島総合振興局で開いた。管内の自治体職員や地域の防災対策にあたる町会役員ら16人が講演や津波避難計画作成のワークショップを通じ、防災意識の醸成につなげた。

 「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域」に指定されている道内39市町を含む、渡島、根室、釧路、胆振、日高、十勝の6振興局で今月から2月にかけ実施。受講者が各地域で講師となり、地震への備えや避難時の心得などノウハウを持ち帰って住民に周知にしてもらうのが狙い。渡島では24日に開催した。

 講座では函館地方気象台の山本輝明地震津波防災官が基調講演。地震発生の仕組みなど基礎知識を紹介したほか、津波の特徴として陸に近づくほど、波は高くなり、水深が浅くなっても水深10メートルの付近では時速36キロの速さで襲ってくると紹介。また、千島海溝、日本海溝付近でマグニチュード7程度以上の地震が発生した場合、この後に発生する可能性がある巨大地震への注意を促す「北海道・三陸沖後発地震注意報」にも触れ、発令後1週間は地震への備えを再確認し、津波からすぐ逃げられる準備をしておくべきとした。

 道総務部危機対策課の葛西忍課長補佐は、道が作成した啓発動画「津波からいのちを守るために〜早期避難と呼び掛けの重要性」を活用して講義。津波が発生した際は「自ら率先して避難し、周囲に呼び掛けながら逃げることで被害を抑えられる」とし、地域で共に助け合う「共助」の大切さを強調した。

 ワークショップでは津波被害を想定し、参加者が住む各地域のハザードマップを基に、地震への日ごろの備えや発災後の行動をまとめた避難計画を作成。冬場の早朝に自宅で被災した設定で、各市町の津波到着時間の想定と避難場所までの移動時間を算定し、十分な避難が可能かどうかを確認した。計画には、非常持ち出し品や非常備蓄品、揺れがおさまってからの行動として火の始末や出口の確保などを記載。計画書の作成を通じ、切迫する巨大地震への意識を高めていた。

 函館市東富岡町会で防災部副部長を務める信太章さん(71)は「いざというときに共助の心で助け合えるよう、日ごろから住民同士で顔見知りになっておくことが必要だと感じた。町会の行事など住民が集まる機会で学んだことを伝えていきたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社

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