日本海グリーンベルト構想 推進協が初会合

update 2007/1/26 15:19

 【上ノ国】日本海グリーンベルト構想推進協議会の初会合が25日、上ノ国町役場で開かれた。町が策定した同構想は、漁業資源の減少が続く日本海の自然環境を取り戻そうと、町民ぐるみの活動として、海岸の台地にカシワの種子(ドングリ)や苗木を20年間植え続け、豊かな海と森林をはぐくむことを目指している。

 推進協は町、ひやま漁協、連合町内会、校長会、上ノ国建設協会で組織し、檜山支庁が支援組織として参加。この日は関係者約30人が出席した。

 工藤昇町長は「上ノ国から始まる取り組みを松前から稚内まで日本海沿岸に広げたい。森が育つには50年かかる。きょう集まったメンバーは森を見ることができないが、後世に豊かな森を残そう」とあいさつ。ひやま漁協の市山亮悦組合長は「日本海沿岸はニシン釜の燃料として海岸林の伐採が進んだ。沿岸にある24の漁協でも森の大切さを認識している。ニシンの群れが北上したように構想を南から北に発信しよう」と、実現に向けた協力を呼び掛けた。

 同町沿岸では、海藻が消えて海底の岩盤が白く変色する磯焼け現象や、海中の栄養分が減る貧栄養化が進み、漁業資源の減少が深刻化。森林の荒廃や土砂流出などが、こうした現象に拍車をかけていると指摘されている。

 同構想では、江戸時代以降の伐採で植生が失われた大崎から小砂子までの約20キロ区間で、ドングリの採集、育苗、植樹を同時に進行。町内で拾い集めたドングリや、種子から育てる苗木を海岸から500メートルの範囲にある国道沿いの台地に植える。新年度から2026年度まで、1年間にドングリは1000平方メートルに3000個、苗は1000本の割合で植える。

 現地では、クマザサを風よけ代わりにして一切の施設を設けず、ドングリなどが持つ自然の力を生かし、過酷な気候に強い森作りを進める。カシワの成長に伴い「ほかの植物が生い茂り、野鳥や動物が住むことで豊かな森が形作られる」(下沢孝檜山森づくりセンター所長)。植樹を行わない区間でも、野鳥や動物による種子の拡散効果で、植生の回復を目指す。

 会議では、構想推進を全会一致で決定。役員選出では、同漁協上ノ国支所の花田英一理事が会長に、久末千里連合町内会長、廣部康則町校長会長、安田惠佐男建設協会長の3氏が副会長に選ばれた

提供 - 函館新聞社



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