渡島支庁経済戦略懇、「熊石海洋深層水」活用テーマに

update 2007/1/23 14:06

 地場産業の創出と活性化を目的に、行政、民間、経済界などからの出席者が意見を出し合い、将来展望などを話し合う本年度の「渡島支庁経済戦略懇話会」が22日、函館市内の渡島合同庁舎で開かれた。「熊石海洋深層水の現状と課題について」をテーマに、海洋深層水を活用した事業展開についての可能性を探った。

 旧熊石町(現八雲町)では1998年、日本海の熊石海底谷に豊富なミネラル分を含み、多方面での活用が期待できる海洋深層水の存在が明らかになった。2001年には町を事業主体に町内の漁業者、農業者、建設業者、食品業者など異業種21人による深層水利用促進研究会が発足。以後、深層水を活用した特産品の開発と販売開拓が進められている。

 戦略会議には、海洋深層水の活用を渡島地域全体に波及させようと、同研究会をはじめ、渡島支庁、函館地域産業振興財団、大野農業高校、江差信用金庫などさまざまな機関から21人が参加した。

 同研究会の佐藤弘会長は、現在の深層水の利用状況について、養殖用としてアワビ中間育成施設に1日当たり2000トン。熊石漁港での鮮魚、場内の洗浄用に同500トンが使用されているのが、大部分を占めていると説明。塩の製造や海産物の一夜干し、豆腐、アイスクリームなどの多目的利用は1日1・5―2トン程度に過ぎず、1日1000トンの取水能力の余力を生かすには、行政や企業などのバックアップの下、企業誘致や販路拡大が不可欠であることを訴えた。

 また、深層水に含まれた豊富なミネラル成分が植物の成長を助長するという可能性について、佐藤会長は「専門的な研究機関に依頼して科学的な裏付けとなるデータを実証できれば、農業関係者への注目度も高まるのでは」と提案。成田一憲渡島支庁は「道南農業試験場などを通じて検証できれば」と話していた。

 会議の途中では、海洋深層水から製造された「塩」を使った、函館の菓子店「水野屋」のロールケーキなどの試食も行われた。通常よりもマイルドな塩加減のため、砂糖の分量を抑えても味わいが変わらないなどの特徴があり、消費者にも人気が高く、今後もさらなる商品開発が行われることが期待された。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです