難病抱える横川さん、障害者の自立目指し活動「函館を故郷にしたい」

update 2006/2/17 11:32

 筋力が徐々に衰える「シャルコ・マリー・トース病」という難病を抱える横川由紀さん(30)は、函館市内で単身生活を送る。障害者が自立した生活を送れる社会の実現を目指し、昨年7月に支援者らと市民団体「自立の風 かんばす」を発足。横川さんは「障害者が地域の中で当たり前の存在になってほしい。活動を通じて理解の輪が広まれば」と話している。

横川さんは横浜市生まれ。6歳のときに病気が発症し、神奈川県内の病院や施設で暮らした。社会から切り離され、自由が制限された生活。疑問を抱いていた20歳の時、支援者の協力で東京都内で自立生活を始めた。

都内で6年間暮らした後、2002年に札幌市へ移住。人工呼吸器使用者の支援団体に誘われたのがきっかけだった。旅行で訪れた函館の異国情緒や自然にあこがれ、昨年5月函館へ。

来函後、ホームヘルパーの居宅介護を受けるため、函館市に支援費制度を申請。サービスは当初5・5時間、現在でも8時間しか認められずにいる。24時間介助が必要な横川さんにとって、東京や札幌で生活していた時の半分にも満たない。制度に自治体格差があるのが現状だ。

「かんばす」の活動はボランティア探しの自助努力が端緒。「制度を理由にあきらめたら、住みたい所にも住めない。少しずつ理解者が増えれば、環境は変わっていくはず」と、考えは前向きだ。

昨年10月、自らの体験や思いをつづった機関紙を発行。「小さな存在だけれど、波紋を立てることができる」という思いから「小石」と名づけた。1月末には第2号が完成。週に数回、本町や美原などの函館市内の街頭で配布している。

当初、受け取る人も少なかったが、最近では話しかけられる機会や電話も増えたという。横川さんは「函館の人は温かい。少しずつ認められているのかな。施設生活が長かったので、函館をわたしの故郷にしたい」と笑顔を見せる。

問い合わせは「かんばす」TEL0138・41・5972。ホームページはhttp://kazecanvas.web.fc2.com/。

電子メールはkazecanvas@hotmail.co.jp

提供 - 函館新聞社



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