函病、床擦れ対策で成果、前年度半減

update 2005/6/11 13:24

 市立函館病院(長谷川正院長)で昨年度から活動を始めた、床擦れ対策に取り組む「BSC(ベッドソアーコントロール)チーム」が成果を挙げている。床擦れ患者の割合が前年度に比べて半数まで減少した。医師や看護師ら、幅広いスタッフが連携し、治療と予防策などの具体策を検討。それぞれの専門性を結びつけ、専門チームが行う回診や、担当看護師への指導などを通じた取り組みが、減少に結びついている。

 同病院は2002年度に厚生労働省の通達を受け、医師や看護師長、事務局長らからなる褥瘡(じょくそう=床擦れ)対策委員会を設置した。03年度から患者のデータを集め、04年度に対策委員会の下部組織として、医師や看護師、薬剤師、栄養士でつくる同チームを立ち上げた。

 チームは週1回、患者を回診するほか、予防や治療、寝具などについて検討し、担当看護師にはアドバイスも行う。回診は皮膚科医と形成外科医が交代で行い、看護師や栄養士、薬剤師も同行する。

 それぞれが専門的な立場から、皮膚に付ける薬や予防・治療を促す栄養、寝具の状態などについて個別に対応策を練り、家族にも説明する。また、チームには所属しない担当看護師にも床擦れの原因について分析してもらうことで、病院全体としての対策強化にもつながっている。

 この結果、全入院患者数のうち、床擦れ患者数が占める割合(有病率)は、03年9月が4・72%、同12月が4・4%だったのに対し、チーム設立後の04年9月が1・98%、同12月が2・48%と半減。全国的な有病率の平均値2・2―3・3%と同レベルにまで改善された。

 同病院は本年度、体の自然な動きを利用した、ドイツで主流の体位変換法「キネステティク」を全病棟で導入する計画で、有病率をさらに下げたい考え。進藤三枝子看護科長は「治癒までの期間や、効果的だった治療法などを細かく分析し、今後は予防にも一層、力を注ぎたい」と意欲を見せている。

提供 - 函館新聞社



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