海員水産会館、収支悪化存廃に揺れる/存続求め署名活動も

update 2005/6/10 10:37

 船舶の乗組員らが利用する函館市営の宿泊施設、「市海員水産会館」(同市豊川町1)が、存廃をめぐり揺れている。利用減に伴う収支悪化などから、市は2002年度以降、廃止も視野に検討を続けてきた。早ければ今夏にも最終判断を下すとみられるが、署名活動など存続を望む声も根強い。

 同会館は1976年に建設された鉄筋コンクリート7階建てビルのうち、1、2階部分を占めている。延べ床面積は1195平方メートルで、宿泊用の個室は和洋13室。3―7階は一般向けの共同住宅となっている。

 遠洋漁業の衰退などの影響を受け、宿泊者をメーンとした利用者数は94年度の6745人をピークに年々減少。2001年度は3378人に半減した。

 このため、同年11月に市や海事関係者などで構成する特別検討委を設置。03―05年度の状況を基に運営の在り方を決定するとしたが、利用者は03、04年度とも3000人台と引き続き低調だった。

 市港湾空港部は「民間宿泊施設の充実など、函館港を取り巻く環境が変わり、利用減につながっているのでは」と分析。施設の老朽化などの問題も絡むだけに、見通しは厳しい。

 ただ、会館の維持を望む声も強い。全日本海員組合道南支部は5月、船員と海事関係者に署名を呼び掛け始めた。同支部は「収支だけを判断材料とせず、船員ら利用者の事を考えて、保持の方針を打ち出してほしい」と訴える。今月中にも署名を取りまとめて市に提出、施設の存続をあらためて要望する構えだ。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです