ハコダテライフ 函館山の懐に、ゆったりと抱かれた町「谷地頭町」


函館山の懐に、ゆったりと抱かれた町「谷地頭町」
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元日の初詣、そして時折無性に入りたくなるあの茶色の湯の谷地頭温泉、と年に数回ほど出向く場所だけだった谷地頭。今回取材のため、クルマを置いて、数日間じっ〜くりと散策してみたところ、この町のリズムがとても心地よいことに気づいた。まずは、コンビニが地区に一軒もないこと。不便だなぁ、と思う人はさておき、地元の商店街で十分にまかなえるのでね。むしろ、コンビニがないことによる小売店の存在感や、夜の静けさを考えるとまったく問題なないわけで。この町にはおいしいパン屋があり、餅屋があり、酒屋も電気店もクリーニング店もある。いずれも小さな間口の店だけど、地域にしっかり根づき、どこも店主の手がかかった商売をしていて心地いい。「ごめんください」と商店の引き戸を開ける、という行為が健在なのだ。そして、もうひとつ。通り沿いの商店前には、「ちょっと腰掛られる」ベンチがそこらにある。ささいなことかもしれないが、町としてとても豊かなことだな〜と思う。通りの交通量もさして多くなく、クルマも住宅の脇やグランドの木陰で休んでいる台数が多いくらいだ。のんびりとした暮らしが好みだったり、求めている人にとっては、谷地頭町はとても性に合う町ではないかと思う。/記・まちブラリ取材班

まちブラリ

谷地頭で餅を専門に造り続けている、昭和9年創業の「市中屋」。今風のやわらか〜いそれとは違い、しっかり、かつどっしりとしたもちもち感が健在で、黒砂糖の味わいが深〜い「べこ餅」が絶品。串だんごやお大福も、とてもおいしい♪ 写真は2代目と3代目。親子で味を守り続ける老舗なのだ。

電停交差点にある、公衆トイレ。隣接する観光スポットへの標識や観光マップ、自転車で来た場合の駐輪場など、コンパクトながら、気配りある設計で感心しました。電停を下りてすぐの場所、人目のつく一等地(!?)にあることも好感度大!
昨年7月にオープンしたというパン屋さんを発見。一見するとパン屋には見えない店構えや「窯蔵(かまくら)」という店名は、「和」のテイストが好きだという若きオーナーの感性が活かされたもの。粋な店内は必見です! パンはベーシックなものから工夫をこらしたものまで、常時50種類! 数種類食べたけど、どれもおいしかったよーv 
写真左は、山間に向かって見た場合。写真右は、山を背に高台から下を見た場合。一見ゆるやかそうに見えるところもあるが、それなりにけっこうな傾斜。谷地頭町は、表参道の通りを除いて、起伏が多いのが特徴。
午後3時。表参道にある「谷地頭廉売」。どうです、この盛況ぶり。こじんまりとした小さな廉売ですが、地元客でいっぱいでした。「まいどさん」、「昨日買ったトマト、甘くておいしかったよ」、「そうかい。きょうはキャベツのいいのが入っているよ」なんて声が聞こえてきます。
通りのいたるところにあったベンチや腰掛け。よっこらしょと腰掛けなくても、ちょっと荷物を置いて休んだりできるから、やさしい心遣いですよね。店の前にベンチを置いていた店主の方に「谷地頭は、ベンチが多いですね」と声を掛けたら、「ああそうかもなあ、気づかなかったなあ」だって。そんなこともあんなことも、あたりまえのこととして、気負わないところがいいなあ。
まち歴史
安政四年の『箱館夜話草』(淡斉如水)に「谷地頭」とでてくるそうだが、町名としては、明治六年から。それ以前は、尻沢辺(しりさっぷ)町の一部だったそう。町名の由来は、読んで字のごとく「谷地の頭」の意味で、中央に低湿地を囲む台地を示したらしい。その後、沼沢地を埋め立てて人家が建ちはじめたことでこの町名が生まれたとのこと。明治二十六年には「アイヌ学校」が碧血碑の下に建てられ、明治三十一年には「函館ビール工場」がこの地にあったという。 ――参考資料:『新編 函館町物語』(幻洋社)
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