石畳に半球状のくぼみ/安山岩では珍しい現象、高丘小・中嶋教諭が発見

2005/5/31
 函館市内の函館公園(青柳町17)の遊歩道に敷き詰められていた石畳に、スプーンですくったような半球状のくぼみが見つかり、地質学の研究者の間で注目を集めている。函館高丘小の中嶋久教諭(45)が発見した。中嶋教諭によると、火山活動で噴出した安山岩が固まり、体積が減少する過程で、中に含まれた「斜長石」と呼ばれる鉱物を核に放射状の割れ目が入り、これがはがれた現象。半球状のはく離は、シルト岩や頁岩(けつがん)などの堆積岩で確認されているが、安山岩では過去に例がないという。

 中嶋教諭が学校行事で2001年秋、同公園を訪れた際、石畳に丸くえぐり取られたような跡を見つけたのがきっかけ。「こういう割れ方もあるのか」と興味を引かれ、親交のある大学教授らに尋ねた。しかし、返答は「これまでに確認されていない現象」。関心を持った新井田清信教授(北大理学部)の協力を受け、研究を始めた。

 石は七飯町鳴川町産の安山岩「七飯石」と判明。くぼみの大きさは、おおむね直径4―40センチ、深さ7―25ミリ。斜長石を基点にしたひび割れに沿い、後に一部がはがれたことによってできたことが分かった。

 これまでも、安山岩では柱状や板状にはく離する現象が見られたが、半球面状の事例は「初めての報告」(中嶋教諭)という。

 すでに、同公園では石畳の多くが撤去されているが、市内では市民の森(上湯川町327)や見晴公園(見晴町56)などでも残されており、くぼみが確認できる。中嶋教諭は「この機会にくぼみの表面をじっくり観察してほしい。身近な石を観察すると新しい発見があるかもしれない」と話している。

提供:函館新聞社

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