北朝鮮拉致、「救う会道南」発足

2005/5/29
 北朝鮮に拉致された日本人を救出する道南の会(救う会道南)が28日、発足した。拉致の疑いが濃厚とされている小住健蔵さん(失跡当時45歳ぐらい)=函館出身=の被害者認定を、政府に求める方針。7月24日には、拉致被害者、横田めぐみさんの父滋さんと母早紀江さんらを招いた集会を開き、道南での機運を高める。

 28日、市内のホテルで、設立準備会議を開催。道南の有志12人が発起人として名を連ねた。拉致被害者や家族を支援する、道内の「救う会」は、札幌、旭川、帯広に続き4カ所目。代表には、自民党道8区支部の佐藤健治支部長が就き、同支部事務所内(函館市染川町)に事務局を構える。

 政府が認定する拉致被害者は帰国した5人を含め16人で、小住さんは17人目の候補。道南では、「特定失踪(しっそう)者」(拉致の疑いを否定できない行方不明者)も3人いる。救う会道南は、小住さんの認定以外にも、特定失踪者の家族をサポートし、一般向けの相談窓口も設ける。

 7月24日の集会は、函館市民会館で行う。横田夫妻のほか、拉致被害者家族会の増元照明事務局長、救う会全国協議会の西岡力副会長も出席する予定。佐藤代表は「道南は、日本海岸を中心に、拉致された方が多いといわれている地区。皆さんにも問題意識を持っていただきたい」と話している。

 小住さんは1933年生まれ。61年ごろ函館から上京し、家族と音信不通に。北朝鮮の工作員が小住さんになりすまし、パスポートを使用していたことが明らかになっている。

 道南の特定失踪者は次の通り。(かっこ内は失跡当時の年齢、消息を絶った年と場所、当時の職業の順=敬称略)

 ▽渡辺栄一(42歳、97年・今金町、建設作業員)

 ▽森洋子(19歳、63年・函館市千歳町、雑貨店店員)

 ▽名取志津子(19歳、71年・北檜山町、金物店店員)  

提供:函館新聞社

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