DVシェルター利用、過去最多

2005/5/29
 配偶者や恋人などからの暴力(ドメスティック・バイオレンス=DV)から逃れようと2004年度、NPO法人(特定非営利活動法人)「ウィメンズネット函館」(古川満寿子理事長)のシェルターに駆け込んだ女性は、1998年度の開設以来、最多の44人に上った。古川理事長は「DVという概念や、シェルターの存在が徐々に知られるようになり、潜在的な被害が表面化したことの表れでは」と話している。

 同NPOによると、昨年度の相談件数は延べ1208件で、前年度比169件の減。これに対し、シェルターで保護した人数は同6人増の44人に上った。

 相談者は40―50代が多く、ほとんどがうつ状態で訪れるという。このうち、保護した44人中23人が子どもと一緒だった。シェルターへの入居期間は2週間から1カ月程度で、大半は自宅には戻らず、この間に住居や職を探し、独立した生活に踏み出したという。

 こうした女性を保護する体制は、確立されつつある。ただ、自立生活への支援や、子どもたちの心のケアなど、課題は山積みされている。加えて、DV防止法では加害男性が女性や子どもに近づくことを禁止できる保護命令の期間を6カ月と定めており、終了後に再び暴力が繰り返されるなど、法の不備も指摘されている。

 古川理事長は「DVは個人ではなく、大きな社会問題。女性を下に見るという男性社会に根付いた価値観が引き起こしている」と、あらためて警鐘を鳴らしている。

提供:函館新聞社

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