ツチクジラ肉販売開始/昨年の初競りより3割ほど安値

2005/5/27
 本年度の道南初水揚げとなったツチクジラが26日、函館市豊川町の市水産物地方卸売市場で競りに掛けられた。5、6件の仲卸業者が購入し、市内のスーパーや鮮魚店などで販売された。

 取引されたのは赤肉約900キロ、小切れ肉約100キロ。1キロ当たり、それぞれ1900―2000円、1150―1250円で競り落とされ、昨年度の初競りに比べ3割ほど安値となった。

 同市場の卸売会社、函館魚市場(松山征史社長)によると、「4月から5月にかけ、宮城県石巻市で水揚げされたミンククジラが多く出回った。それに影響され、ツチクジラの卸値が下がったのでは」と分析している。

 市内新川町1のはこだて自由市場内の前鮮魚店(前直幸社長)では約50キロの生肉を仕入れた。午前8時開店と同時に市内のすし店や居酒屋、イタリアン料理店などの業者が多く来店。前社長は「もの珍しさも手伝ってか、毎年初日はあっという間に売り切れてしまいます」と話し、「いらっしゃいませー」の威勢のいい声を響かせていた。

 市内松風町で飲食店を営む佐々木景一さん(55)は早速買い求め、「クジラが販売され始めると、本格的な春が来たことを肌で感じる」と話していた。

提供:函館新聞社

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