日中友好の証しに/乙部町と中国・張家界市、姉妹木提携で調印式

2005/5/26
 【乙部】乙部町富岡にあるカツラの巨木「縁桂(えんかつら)」と、中国湖南省・張家界(ちょうかかい)市の「重歓木(じゅうかんぼく)」の姉妹樹締結調印式が25日、同町で行われた。東シナ海での天然ガス開発や靖国神社参拝問題など、政治レベルで日中関係が悪化する中、寺島光一郎町長は「こういう時期こそ民間や自治体レベルでの友好が大切。小さな交流が両国の友好に発展していくはず」と、締結の意義を強調した。

 汪業元・張家界市副市長ら、訪問団一行が同町を訪問。調印式に先立ち「乙部町巨樹・巨木『縁桂』を保全する会」(会長・寺島町長)のメンバーとともに、縁桂を視察した。

 縁桂は、高さ約40メートル、推定樹齢は約500年。空中で2本の枝が結合した「連理の木」で、縁結びの木として親しまれている。縁桂を訪れた汪副市長は「大自然が縁桂と重歓木という奇跡の木を作った。人類も大自然を見習い友好を大切にすべきだ」と笑顔をみせた。

 町議会議場で行われた調印式では、同会を代表して寺島町長、汪副市長が調印書にサイン、固い握手を交わした。

 重歓木は、高さ約15メートルのクスの木。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている「武陵源」の中心、張家界国家森林公園にある。汪副市長は「重歓木の根は1本。一度は2本の枝に分かれたが、空中で再び結ばれた。物事はすべて順風満帆ではなく、困難にぶつかり乗り越えていくことを象徴している」と述べ、両市町の友好促進を呼び掛けた。

 同会は今後、同市に訪問団を派遣するなどして、縁桂と重歓木の保護、両市町の友好を深めていく考えという。

提供:函館新聞社

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