木造船の船図や造船業の変遷を紹介/函館産遺研が報告書発行

update 2005/5/8 10:02

 函館産業遺産研究会(富岡由夫会長)はこのほど、函館で造られた木造船船図の資料などをまとめた報告書「北の木造船船図・函館の造船業組合の変遷」を発行した。大正から昭和40年代に手掛けられた木造船の船図などを紹介、造船業が盛んだった函館の歴史を振り返る貴重な一冊に仕上がっている。

 2002年2月、山内造船所に勤めていた小野寺半二さんから造船関係資料の提供を受けた。同会が収集したものと合わせ、資料は船の図面485点、造船関係図書は116冊にも及んだ。03年9月、会員5人が、船ごとに分けて整理。「文化財に匹敵するような資料。報告書としてまとめたい」との会の願いに相馬報恩会が助成し、発行が実現した。

 船図は大正時代に造られた木造貨物船やはしけ船、箱館丸など、設計者が考えた元図、元図をトレースした原図や複写図が盛り込まれている。原版はA1判だが、報告書はB4判に縮小されている。このほか造船会社の沿革を記した写真つきの紹介や、1912(明治45)年の函館の造船所分布図などがあり、造船業の変遷を振り返ることができる。

 富岡会長は「郷土史に関するものの中でも技術を紹介するものは少ない。貴重な資料として後世に伝えていきたい」と話している。

 浪月堂書店深堀電停前店(柏木町1)で一部3500円で販売されている。問い合わせは富岡会長TEL0138・52・0783。

提供 - 函館新聞社



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