インドで給水活動/坪内さんがNGOの一員として9月出発

update 2005/5/7 09:47

 函館市花園町の中古パソコン販売業、坪内達雄さん(62)が9月から、インドで給水支援を行う非政府組織(NGO)「一杯の水」(札幌市、大東利章代表)の現地ディレクターとして、活動する。南部アンドラプラデシュ州の州都ハイデラバードに赴き、身分差別で虐げられ、貧困にあえぐ「ダリット」と呼ばれる人たちをサポート。水を届けるほか、郊外に農地を整備する計画だ。「自立の手助けができれば」と意気込んでいる。

 一杯の水への参加は、日本語教師の資格を取得するため、札幌で勉強していた昨年11月、大東代表と出会ったのがきっかけだった。発展途上国でのボランティアを熱望していた坪内さんは、土壌汚染により、飲料水の確保が難しいダリットの集落を、給水車で巡回する取り組みに共感。手伝いを名乗り出たという。

 坪内さんは定年退職後のライフワークにと、起業家支援施設「チャレンジショップ・大門屋」で販売を学び、創業。前職は大手菓子メーカーのプラント設計技師で、2級建築士の資格も有する。「事業を展開する上で、わたしがぴったりの人材だと感じた」と話す。

 任期は未定。現地へは、3月下旬に1度訪ねただけで、7月下旬に再度、準備のため向かう。現地スタッフは坪内さんを含め2、3人の予定だが、9月からは、水を無料で供給されるなど州政府からの協力も受けられる見通し。「これまでは年数回しかできなかったが、常駐することで、毎日水を配れる。彼らも喜んでくれるだろう。将来的には日本の文化を教えられれば」と抱負を語った。(喜多真哉)

 ▼ダリット カースト制度の枠外に置かれた最下層身分。「不可触民」として、差別を受けた。カースト制度が撤廃され、「インド独立の父」と称されるガンジーがハリジャン(神の子)と名付けたこともあったが、差別意識は根強く、その多くがスラムでの生活を余儀なくされている。

提供 - 函館新聞社



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