戸切地陣屋跡の桜/野鳥・ウソによる被害拡大

update 2005/5/1 14:02

 【上磯】桜の名所として知られる町野崎の「史跡・松前藩戸切地陣屋跡」周辺の桜並木が、ことしも野鳥・ウソの被害を受けていることが分かった。原因は、雪解けが遅い影響などで、本来エサとする木の実が山に少ないため。管理する上磯樹木保存会の宮田茂会長によると、被害の程度は昨年よりも拡大しており、開花の状態が心配される。

 ウソは、スズメ目アトリ科の小鳥。体長15センチほどで、全身の色は灰褐色。頭部が黒く、オスはのどの回りに赤い毛があるのが特徴だ。普段は山間部に生息するが、冬期間はエサを求めて丘陵地や低地に移動。桜やモモ、ナナカマドなどの花芽を好んで食べる。

 ウソの被害は、函館公園や松前公園など、道南一帯で見られる。戸切地陣屋跡付近でも例年確認されたが、ことしは、特にひどいといわれた昨年より悪い状況という。宮田さんによると、「今季は11月から2月にかけて飛来。花芽を食べるときに吐き出した硬いしんの部分が、昨年以上の量で雪の上に落ちていた」という。

 昨年からの被害の拡大について、桜を研究する七飯町の浅利政俊さんは、「台風や雪の影響などで、山間部にエサとなる木の実などが少ないことが原因。ことしは特に雪解けが遅く、例年よりも長く居座ったため食べる量が多くなったのでは」とみる。

 ウソは野鳥だが、道の許可を得れば駆除できるため、道南にも駆除対象とする自治体がある。しかし、農作物や樹木などに付く害虫を食べる“益鳥”の性格も持っており、慎重な対応が求められる。

 5月上旬とされる開花時は、「満開になっても花の量が少ないのでせいぜい五分咲き程度にしか見えない」(宮田さん)と予想される。町は当面は様子をみて、駆除しない方針だ。

提供 - 函館新聞社



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