佐藤さんが戦後カレンダー普及呼びかけ

2004/8/11
 終戦記念日を前に、戦争の事実をいま一度心に刻んでもらいたいと、函館市人見町13の佐藤克朗さん(76)が、戦後カレンダーの普及を呼び掛けている。8月15日から始まるこのカレンダー。新版は戦後60年の節目にもあたる。佐藤さんは「こんな時代だからこそ手にとって見てほしい」と話している。

 戦後カレンダーは、栃木県に住む明良佐藤さん(61)が、戦後40年版から毎年製作している。一方、佐藤さんはこの活動とカレンダーの趣旨に賛同し、毎年まとめて取り寄せている。

 カレンダーは、「年表版」と「うた版」の2枚1組。年表版は、日本や近隣国の出来事や戦争の歩みについて年表形式で細かく記載。うた版には、戦争や8月15日をテーマにした詩などを印刷している。

 イラク戦争勃発、自衛隊のイラク派遣などから、「もはや戦後とは言えない状況に入った」(明良さん)と迷った末、新しいカレンダーには「総力戦後60年」のタイトルを採用。「プチ戦争から総力戦に至ればどれほどの悲劇が起こるか、今だからこそ自覚してほしい」(同)と、非戦を訴えている。

 「天皇制的元号にこだわるかい」を主宰し、日常生活でも日付に年号を用いる際には、西暦や元号ではなく、「戦後」を使い続けている佐藤さん。「だんだんと戦争の惨禍が忘れ去られている。戦後60年はひとつの区切り。加害国でもある日本は決して戦争を忘れてはいけない」と話している。

 カレンダーは、2枚1組1000円(送料別)。問い合わせは、佐藤さんTEL53・2104。

提供:函館新聞社

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