森で環状列石と竪穴墓域を確認

update 2003/11/22 13:22

 【森】発掘調査が進められていた森町の鷲ノ木5遺跡で、縄文時代後期前葉(約4000年前)のものとみられる大規模な環状列石(ストーンサークル)と、共同墓地などとして使われていたとみられる竪穴墓域が、隣接する形で見つかった。2つの遺物が同時に発見されるケースは珍しく、これまで謎とされてきた環状列石の役割の解明に関し、貴重な資料となりそうだ。

 町教委によると、環状列石は石が円形に3列で並べられており、最も外側の列の長軸(最長直径)は約37メートル、短軸(最短直径)は約34メートル。大きさは道内で最大級という。石は合わせて約530個あり、大きさは20―80センチで、中には100キロを超える物もあった。

 竪穴墓域は環状列石から約5メートル離れた場所で見つかった。構造はだ円形で、長軸は11・5メートル、短軸は9メートル。中には墓穴として利用されたとみられる土壙(どこう)が大小10基、残されていた。

 今回の発見について、町教委は「2つの遺物が合わせて見つかったことで、環状列石が宗教的な役割を果たしていた可能性が見い出せる」と指摘する。

 また、同種の環状列石が東北地方の各地で出土していることから、当時の交流の手掛かりとしても重要な意味を持つとしている。そして、環状列石に大きな石があり、少人数で作業するのは困難なことから、「周辺には100人単位の集落が存在したのでは」と推測している。

提供 - 函館新聞社



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