放置車両

update 2003/11/17 10:21

 本格的な冬が近づく函館で、除雪の妨げとなる放置車両がにわかに問題化し始めている。車両排除の訴えに「時間が掛かる」と答える行政と、「行政との交渉に一番時間が掛かる」とする住民。問題解決に挑む町会からは「何で住民が頑張らなくてはならないのか」「放置車両をどけられる条例の整備が必要では」といった声も上がっており、根本的な解決に向け、全市的な議論を呼びそうだ。

 函館市宝来町24の市道には、他県ナンバーの乗用車が約1カ月間、放置されている。宝来町会では「他県ナンバーの乗用車が路上に放置されている」と、10月中旬、函館西署に通報。同署は同28日、駐車違反として、出頭を求める文書を同車に張ったが、現在も状況に変化はない。

 この車両が「置いてある」場所は、横断歩道手前の停止線から約20センチ手前の駐停車禁止区域。同町会は「市や警察から『動かせない』『時間がほしい』との説明を受けたまま時間が過ぎている」と憤る。さらに「停車すら禁止されている横断歩道のすぐ横に捨てられた車をなぜ移動できないのか」「事故が起きたら誰が責任を取るのか」と、会員からは怒りの声が噴出している。

 弁天町会では、独自に車両の所有者を割り出し、交渉を続けるなどして解決に当たっている。今年に入り、一度は排除されたが、最近また捨てられたという。「除雪に邪魔な場所ではないし、通行にも問題は少ないので、時間を掛けて解決できる」としながらも、住民が当事者となる問題なのか疑問が膨らんでいる。

 法的には、市や警察といえ、車の所有者の財産という観点から、簡単には排除できない。利用者が分からない場合も多く、調べるにも「人員に限りがある」という共通の悩みを抱える。

 港町会では、1年ほどかけて行政と交渉し、10月になってようやく懸案の放置車両を排除した。しかし、町会内からは「現状では行政の取れる方法にも限界がある。条例で取り締まるなど、全市的に考える必要があるのでは」との指摘も出ており、全市的な話し合いを望む声が強まっている。(後藤泰良)

提供 - 函館新聞社



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