保守分裂で共倒れ

update 2003/11/10 11:46

 保守系代議士を望む地元関係者の願いは、今回もかなえられなかった。道8区は自民党新人の佐藤健治氏と無所属新人の前田一男氏が票を食い合う形となり、結果的に保守系は“共倒れ”に。「力不足だった」「わたしの不徳」―。両氏は敗戦の弁を語りながらも、駆け付けた支持者に礼を述べ、次回の雪辱へ意欲をみせていた。


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◎佐藤氏「力が至らなかった」

 支持者の姿もまばらだった投票終了直後の午後8時5分ごろ、函館市大手町5の佐藤健治氏(自新)の選挙事務所に衝撃が走った。一部報道が、開票率0%の段階で、ライバル金田誠一氏の「当選確実」を速報。野呂善市選対本部長は「今までこんな事はなかった」と、驚きの表情を浮かべた。

 ある選対幹部は佐藤氏が金田氏を上回る開票情報を横目に「まるで応援する球団が負けていることを知りながら、ビデオを見ている気分だ」とため息。模造紙で作られた得票数表は一度も書き込まれることはなかった。

 選対が比例での復活当選もないと判断すると、同9時35分、佐藤氏は口を真一文字に結んだまま同事務所入り。詰め掛けた支持者約50人に深々と頭を下げ、「ひとえにわたしの力が至らなかった」と涙を浮かべて敗戦の弁を述べた。

 さらに「明日からまた頑張りますので、よろしくお願いします」と次期衆院選でのリベンジを宣言。最後に「次の戦いはもう始まっている」と言葉を残し、市内や周辺町の支持者のもとにあいさつに向かった。


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◎前田氏「政治への気持ち変わらず」

 前田一男氏(無新)は午後10時過ぎに函館市本町11の選挙事務所に到着。無念さをにじませた表情で会見に臨み、「短い期間に多くの方が懸命な応援をしてくれてありがたい」と感謝し、「力不足を痛感しており、不徳の致すところ。8区では政党の争いよりも、将来を見据えてどんな政治をしていくかが争点だと思っていた」と胸の内を語った。

 今後については「政治を通じて世のため人のために働く気持ちは変わらない」とし、「支援者と十分に話し合って決めたいが、こちらにいることになると思う」。

 その後、高木幹雄連合後援会長ら選対幹部と固い握手。支持者が「捲土重来(けんどちょうらい)を目指して頑張って」と前田氏を励ますと、事務所内は大きな拍手に包まれた。

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◎伏木田氏「政策を浸透させられず残念」

 伏木田政義氏は午後9時ごろ、函館市堀川町5の選挙事務所に到着し、原田有康選対本部長と固い握手。報道各社が「金田氏当選確実」と速報していたため、その場で敗戦会見を行った。

 伏木田氏は「私に投票してくれた多くの有権者と、党員や後援会の努力に感謝したい」と述べ、「今後も、選挙中に掲げた公約実現のため、(党の活動などを通して)大いに奮闘していく」と力強く語った。

 会見に同席した原田選対本部長は「有権者に政策を浸透させられなかったのが残念。対話をした人には理解してもらっていたので、もう少し時間があれば」と、悔しさをにじませた。(後藤泰良)

提供 - 函館新聞社



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