外来魚3種駆除の是非を論議

update 2003/1/21 11:08

 道内水面漁場管理委員会(武田正之会長)は20日、渡島合同庁舎で、ブラウントラウトなど外来魚3種の移植放流禁止を柱にした中間報告の公聴会を開いた。漁業関係者や釣り愛好家ら約50人が出席。外来魚駆除の是非をめぐり、それぞれの立場から意見を述べた。

 中間報告は、道の諮問を受けた外来魚問題検討小委員会が策定。在来魚などの生態系に影響を及ぼすとして、ブラウントラウト、カワマス、カムルチーの3種について、移植放流を禁止する予防措置を盛り込んだ。既に生息している場合は保護水面、資源保護水面で駆除し、一般河川は地元の意向を踏まえ、対策を検討するとしている。

 ニジマスについては、広く生息分布していることを考慮し、対応策の判断を見送った。

 公聴会では、駆除に反対する釣り愛好家から「外来魚であれば撲滅しなければならないのか。人為的な拡散を防ぐことに絞るべき」「ブラウントラウトが稚魚などに影響を及ぼしているのなら、被害の実態を調査してほしい」など見直しを求める意見が相次いだ。

 逆に、アユ釣り愛好家は「ブラウントラウトがアユの稚魚を食べている。日本の釣り文化を失ってしまう」。漁業関係者からも「釣り人の気持ちは分かるが、生活の場であるから、外来魚の拡散が心配だ」と駆除を支持する声が上がった。

 学識経験者からは、今回、ニジマスを対象から外したことに対し反論も。「一番拡散しているニジマスが、最も大きな影響を与えている。ニジマスの拡散防止が優先ではないか」と中間報告に疑問を投じた。

 公聴会は31日まで道内4カ所で開催。同管理委は要望や意見を踏まえたうえで、最終報告をまとめ、3月末までに堀達也知事に提出する。

提供 - 函館新聞社



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