高田屋嘉兵衛の井戸保存へ

update 2003/1/14 10:42

 江戸時代の豪商、高田屋嘉兵衛が造ったとされ、市内大町9のペンション「じょう蔵」(佐藤修子オーナー)の敷地内にある井戸が、同ペンションによって保存・活用されることになった。高田屋の井戸は市内に9カ所あったとされるが、現在残っているのはこの1カ所だけ。今後、井戸内の清掃や水質調査などを経て、具体的な活用法などが検討される。

 商経営の一方、函館のまちづくりに貢献したことでも知られる高田屋嘉兵衛。高田屋七代目で北方歴史資料館館長の高田嘉七さんによると、嘉兵衛は大火の多い函館に井戸が必要と考え、1807(文化4)年、大阪から職人を呼び寄せ、9カ所に井戸を掘らせたという。

 大町9は高田屋本店跡地にあたる。井戸は代々の居住者によって使われ、守られてきた。ただ、ここ20年ほどは、建物が倉庫として利用されていたため、井戸は使われていなかった。

 この土地は昨年、ペンション建設地としてオーナーの佐藤さん(46)が購入。井戸の存在を知り、夫の淳一さん(47)とともに、高田さんや郷土史家の須藤隆仙さん(称名寺住職)に相談したうえで、残すことを決めた。当初は、敷地内にあった古い土蔵も残すことを希望していたが、老朽化が激しいために断念。「古いものをできるだけ残したい」(佐藤夫妻)と、土蔵内の梁(はり)や柱を、新しい建物の大黒柱やテーブルなどに活用。正面玄関部分に土蔵を再現した。ペンションは、12日から営業を始めた。

 井戸は直径約90センチ。円筒の上部はコンクリート製だが、下の方は石で組んである。「水はまだ枯れていないように見える」状況で、入り口下3メートルほどの所まで水がたまっている。現在は「危ないから」と木製の板で囲い、ふたをしている。

 佐藤さんは「とても貴重なもの。活用法を考え、大切にしていきたい」とし、春には井戸内を掃除して水質などを調べ、手押しポンプも設置する計画。一方、「ペンションのPRに利用するつもりはない」考えで、「観光名所としてたくさんの人に来られると、管理面などで心配」という思いも抱いている。

 嘉兵衛に詳しい須藤さんは「高田屋の史跡は亀石などいろいろあるが、井戸は実際の生活で使われていたもの。(保存されることは)非常に喜ばしいし、もし、水が使えるとなれば大変なこと」と話している。

提供 - 函館新聞社



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