高田さんエトロフ手記出版へ

update 2002/12/27 11:02

 市内在住の高田彌彦(みつひこ)さん(85)が、著書「エトロフ島の俄教師の手記〜ソ連軍進駐下の三年三ケ月」を来年1月、文芸社(東京)から出版する。記述はすべて事実を基にしており、日本人学校の教師として過ごした生活や出来事に触れ、終戦直後、ソ連占領下の択捉島での生活の実情を明らかにしている。

 高田さんは新潟生まれ。1943年に守備隊兵士として択捉島に派遣され、終戦後の45年に抑留。3年3カ月にわたり日本人学校教師として同島に滞在した。帰国後、50年に函館製網船具株式会社(ウロコ)に入社し、取締役総務部長を経て、83年に常任監査役で退社している。

 択捉島での生活記録については、52年から資料集めを始め、会社勤めの傍ら5年ほどかけてまとめた。3年3カ月分の記録のうち「ロシアとの折衝が多かった」という最初の1年分を選び、14年ほど前に自費出版。今回は、そのときと同じ内容で全国発売する。将来的には、残る2年3カ月分についても出版したいという。

 もともとは、道東の関係者が出版したソ連占領下の北方領土の生活記録が、高田さんの経験とは異なり、「事実と違う。エトロフでの生活は悪いことばかりじゃない」と指摘。「10年、20年後の判断材料になる。正しいことを書かないと意味がない」という思いを強くしたのが出版の発端となった。

 豊浜と天寧での生活を描いており、子供やロシア人との触れ合い、高田さんが見たロシア人の生活などを日常会話を交え、率直につづっている。

 A5判、322ページ。定価1200円。来年1月上旬から全国の書店で販売される。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです