旧函館検疫所購入へ

update 2002/12/19 13:25

 市は、旧函館検疫所台町措置場(船見町25)の建物と土地を、所有者の国から2004年度に購入する方針を固めた。購入後に市は、老朽化した建物の外観を補修し、希望する民間に貸し出す。この種の貸借としては初めて、公募方式を採用することも検討する考え。同措置場は市景観形成指定建築物で、海を見下ろす好立地にある。市は補修、貸借後の建物をレストラン・喫茶など、市民や観光客が集える施設として保存活用したいとしている。

 旧函館検疫所は国際貿易港の重要施設の1つに位置づけられ、築後120年近くを経た現在も、市立博物館の一部建物に次いで古い木造の建築物として、往時をしのばせている。 同施設が建つ土地の面積は約1万6000平方メートルで、市が1997年に同所の利用計画案を策定、国との協議に入った。

 しかし、同所が道立函館水産試験場の移転候補地の一つに挙がったため、国との協議が中断。その後、同試験場の移転先がほかの場所に決まったことから、協議を再開していた。

 国は全国の未利用地を03年度中に処分する方針だが、同所については市の厳しい財政事情などを考慮し、翌04年度以降の購入を認めることでこのほど市と合意した。

 市によると、建物と土地の購入費用は概算で3000万円弱。同年度の一括購入のほか、最長6年間の分割購入も可能とされており、市は財政状況を勘案しながら最終判断する。

 購入後には市が約600万円をかけて建物の外観を補修、公募を含む手法を通して建物の借り手を決め、建物内部は用途に応じて自由に改修してもらう。同所は景観に恵まれ、外国人墓地などの観光スポットにも近いことから、市は集客施設としての活用を想定している。

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―旧函館検疫所台町措置場―内務省の防疫体制強化策の一環として、1885(明治18)年に消毒施設を同所に建設。翌年には隔離室が併設され、函館消毒所として検疫業務を開始した。

 1896(明治29)年には函館検疫所に改称され、その後の業務を通して伝染病の国内侵入を防いできた。1968(昭和43)年、市内海岸町に落成した港湾合同庁舎内に検疫機能を移転、97(平成9)年には小樽検疫所函館出張所に改称。

提供 - 函館新聞社



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