木古内町沖で人工漁礁造り進む

update 2003/2/10 11:07

 木古内町沖でクロソイ(クロゾイ)の育成と、多種の集魚という2つの目的を持たせた人工魚礁の設置事業が薦められている。場所は木古内町漁協が単独で管理する全町の沿岸、約4キロ内の共同漁業権海域(単有海域)。道が約5億円の事業費を投じ4カ年をかけて魚礁の集合体である群体を4つ、造成する。渡島支庁水産課によると、育成と集魚の双方を兼ねた人工魚礁は道内初。また、「単有海域内での人工魚礁の規模としては道内で最大となる」と説明している。

 クロソイは稚魚から成長期にかけて水深30メートル以浅の浅瀬で生活し、成魚となるにつれ30メートル以深の沖合へ移るのが一般的。単価が非常に高い高級魚として知られ、同漁協は稚魚の放流を長年、続けている。

 木古内は単有海域内がほぼ水深30メートル以上で、外側が30メートル以深。すでに外海には人工魚礁が多数あり、成魚が暮らす環境は整っている。

 しかし、成長期のクロソイがいる単有海域内は大半が砂地で、外敵からの避難やエサ探しが困難。また、メスの成魚は岸に近い場所へ戻り子を産むが、途中で外敵に食べられる危険が高く、これらの解消が水揚げ増の課題となっていた。

 計画では、単有海域内に人工漁礁の群体4つを設ける。鉄製で高さ10メートルのジャングルジム型の魚礁と、コンクリート製で高さ3メートルのサイコロ型の魚礁の2種類。1群体は直径約250メートルの円形で、中央に鉄製魚礁を4基、周辺にコンクリート製の魚礁を176基、配置する。

 事業では群体4つを正方形の形で隣接させ、広大な人工漁礁群を造る。波及的な効果としてホッケをはじめ、ほかの種類の魚にとっても格好の生息地となり、全般的な水揚げアップに効果があるとみられている。

 本年度は約1億6000万円の予算で、1群体と鉄製魚礁4基を海底に沈め、残りは3カ年で順次、整備する予定だ。

 地元からは「守り、育てる漁業の推進に大きな力」と期待の声があり、道は「限りある資源を増やしていく観点からは、非常に重要な事業だと言える」(同課)と話している。

提供 - 函館新聞社



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