にがりブーム道南でも

2003/10/25
 豆腐作りに使う「にがり」が全国でブームとなる中、道南でも人気が高まっている。美容や健康に良いとされ、函館市内では、ドラッグストアなどで爆発的なヒット。小売店は品ぞろえを豊富にし、さらなる売り上げ増に期待を寄せている。製造業者はかつての「廃棄物」が商品化され、品薄になるほどの人気に戸惑いを隠せない。しかし、専門家からは「過剰摂取は危険なので注意を」との指摘も上がっている。

 にがりは、海水から食塩を取った後の溶液で、主成分は塩化マグネシウム。身近な場面では豆腐の凝固剤などに用い、マグネシウムの原料にもなる。

 全国的にはテレビ番組や雑誌などが取り上げたことから、昨年2月ごろからブームに。和歌山県で自然塩の製造、販売をする業者は「にがりは塩の副産物として出来るが、それまでは近所の人に無料で提供したり、捨てていた」。ところが、「昨年夏から問い合わせが来るようになり販売を開始。多いときでは日に100本以上の電話が来るため、一時は仕事にならなかった」と困惑を隠せない。

 函館市内のドラッグストアでも、ダイエットブームで消費が過熱。売り場を拡張したツルハドラッグ白鳥店(須藤和茂店長)は「あまりにも騒がれすぎて、供給が追いつかないときもある。年齢にかかわらず女性に人気」という。同店を訪れた市内の佐藤淳子さん(39)は「テレビで紹介されていたのでダイエットにと思い購入したことがある。効果は実感できなかったが、体重を気にしている上司にプレゼントしました」という。

 一方、にがりの主成分マグネシウムの、過剰摂取防止を呼び掛けるのは函館短大付設調理師専門学校の管理栄養士、伊藤美樹さん。「にがりには50種類以上のミネラル分が含まれるが、ほとんどはマグネシウム。体温調節など人体にとって必要だが、過剰に摂取するとカルシウムの吸収に支障を来たす。また、塩分も含まれているので腎臓の悪い人や高血圧の人は特に注意を」と話している。

提供:函館新聞社

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